Let’s Challenge (自習課題)-2020年宮城県公立英語 第4問 解答解説にたどり着きました-

 

本文は 

https://ameblo.jp/kitakami-seminar2007/entry-12585677998.html

をご覧下さい。

 

本文をじっくり読み和訳した後、次の16の問いに答えなさい。

 

1. Theyが示す内容として最も適切なものを、次のア~エから1選び、記号で答えなさい。

these words very small plastic pieces some scientists the news

(解答)イです。

(解説)受動態で書かれた文ですから、ウの可能性が最初に消えます。次に「雨水に見つかる」のですから、アの言葉やエのニュースではあり得ませんよね。見つかるのはあくまで物ですから。

 

2. microplastics ~ Arcticの表現のようなことが起こる理由を、次の書き出しに続けて、本文の内容から具体的に日本語で書きなさい。

(解答)空気中のマイクロプラスチックが風に運ばれて、雨水や雪と共に世界中に落下するから。

(解説)マイクロプラスチックが厄介なのは、この要素があるからです。太陽光線がプラスチックゴミを粉々に風化させた後は非常に軽くなりますので、簡単に空中に巻き上げられますからね。ロッキー山脈にあるなら、もちろん富士山なんかにもありますよね。

 

3. 次の(1) (2)の質問に対する答えを、本文の内容に合うように英語で書きなさい。

(1) What breaks down the plastic wastes into pieces?

(解答)The light from the sun does.

(解説)疑問の核心部である、冒頭のWhatの目的語のみをシンプルに答えるならThe light from the sun だけでも採点はしてもらえるでしょう。もちろん、学校裁量採点問題なので、学校によっては減点される可能性があります。同様に、参照対象文のThe light from the sun breaks down these plastics wastes into small pieces.を「書き換える自信がなくて」全文書いた場合でも、減点される可能性があります。競争率の高い学校ほど採点基準が厳しくなりますから、まずは冒頭の模範解答と比べて下さいね。

(2) What has Miki been afraid of since she knew about plastic pollution?

(解答)She has been afraid of microplastics entering her body.

(解説)これも例えばI’ve been afraid of microplastics entering my body since then.などと書いたら点がほぼ来ません。また、主語や人称をきっちり変えたとしてもsince thenを残していたら1点くらいの減点は(主に仙台圏の)競争率の高い学校を受験した場合、覚悟した方がいいでしょう。

そして、この問題3.のように、文法問題を独立で出さなくても、読解・発信力を問う問題で工夫をすれば、文法を正しく使う能力(文法運用能力)をきちんと試すことが出来るのです。

 

4. 美紀がコラムの中で提案している2つのことの組み合わせとして最も適切なものを次のア~エから1選び、記号で答えなさい。

We should pick up plastic wastes. – We should check rainwater.

Don’t eat too many fish. – Don’t use plastic products too much.

We should pick up plastic wastes. Don’t use plastic products too much.

Don’t eat too many fish. – We should check rainwater.

(解答)ウです。

(解説)「魚を食べ過ぎるな」とは課題文のどこにも書いていません。段落4⃣に「マイクロプラスチックを食べた魚を食べ続けるとどうなるだろう」とは書いてありますが、「魚を食べるな」とは書いていません。浅い読みの受験生の方を引っかけるための選択肢です。その時点で、選択肢イ・エはなくなります。よく読めば、この問題4.は段落5⃣に関する問題です。5⃣をちゃんと読めば、「美紀が今後取り組みたい2つのこと」ははっきりしますよね。「速読も大切だけれども、基盤は精読力にある」ことを受験生各位並びに塾や学校の教員各位に知らしめるいい問題でした。

 

5. 次の番号と文の組み合わせは、各段落の主な話題についてまとめたものです、(a) (b)のそれぞれに入る適切な文を、後のア~オから1つずつ選び、記号で答えなさい。

1Scientists found small plastic pieces in rainwater.

2(a)

3Why do we find microplastics in the rain.

4(b)

5What can we do for a better future?

Scientists study how microplastics affect our health.

Miki is worried about plastic problems becoming bigger.

There are many useful plastic products all around us.

How can we rescue fish from microplastics in the sea?

What are microplastics and how are they made?

(解答)(a)-(b)-です。

(解説)段落1⃣~段落5⃣それぞれの要点を1行でまとめる課題ですね。第2⃣段落はマイクロプラスチックとは何かの説明ですから、オ以外あり得ませんね。第4⃣段落は、前半では可能性や未来を表わす助動詞と共にweが多用され、後半では筆者である美紀自身の懸念事項が主語Iと共に記されていますから、イですね。選択肢においてIMikiに変換され、動詞が三人称単数現在の形になり、be afraidworryの関係性を衝くなど、単語と文法の運用能力を試していて、いい問題です。独立の単語問題は許容範囲ですが、独立の文法問題になると佐藤誠司先生が日頃からおっしゃっているとおり、実用と無縁になりがちですので。

 

6. 次の英文は、美紀と友人のダニエル(Daniel)の会話です。本文の内容をふまえて、あとの(1), (2)の問いに答えなさい。

 

Daniel: Miki, I read your story. It was really interesting.

Miki: Thanks, Daniel. Have you ever thought that there are microplastics in the rain?

Daniel: No! I was surprised to know that microplastics are ( C ) all over the world. We have produced many useful plastic products, but they sometimes bring problems to ( D ). I learned that from your story.

Miki: I’m glad my story taught you more about plastic pollution.

 

(1) ( C )に入る最も適切なものを、次のア~エから1選び、記号で答えなさい。

spreading reporting producing suffering

(2) ( D )に入る最も適切なものを、次のア~エから1選び、記号で答えなさい。

recycling clothes your story the environment microplastics

(解答)(1)-(2)-です。

(解説)(1)はロッキー山脈や北極まで広がっているのですから、その意味を表わす単語を選ぶしかありません。また、(2)は、butの次のtheyplastic productsですし、それが環境への負荷を掛けているわけですから、その意味を表わす連語を選ぶしかありません。

    この問題だけは、北上セミナー代表・Let’s Challenge事務局佐々木は欠点ありだと考えます。完璧な問題はなかなか作るのが難しいですね。塾屋は出てきた問題への解説と対策に徹することが本分ですし、塾屋である佐々木の理想を言う場ではないのは頭では理解しています。ですが、持論を言わせていただきます。空欄( C )(s      )とし、「単語の始まりを規定して後は書いてもらう問題」にして、空欄( D )toの後にtheを顕在化させ、やはり(e       )として「単語の始まりを規定して後は書いてもらう問題」にした方が難易がグッと上がるような気がします。

 

(総評)一部の問題で欠点があることは認めますが、全体的には前年度よりも良問が多く、飛躍的に改善されました。但し、(私も含むあらゆる)日本の英語教員だけで問題作成を完結させようとしますと、どうしてもどこかで欠点が露見するものです。さらなる良化・改善を求めるならば、問題の出典の一部だけでも思い切って外国の文献にするといった判断が求められます。オックスブリッジやラウトリッジを初めとする英米の教育出版社には、英語をL2とする学習者向けの教材が紙媒体であろうとオンラインソフトであろうと大量に存在しますので。版権の交渉や問題内容に対する版元からの干渉など、様々な障害が予想はされますが、まずは取り始めなければ何も動きませんから。なおL2とは英語は第2言語という意味です。