ご訪問、ありがとうございます!
一条工務店「i-smart」で北国に二世帯住宅を建設中です。
先日、緑色の柱がカビなのか?についてブログを書きました。
この問題、非常に多くの方に関心があるようです。
また、一条工務店で住宅を建設されていて、ブログを御覧になられた方々からのお返事もいただきまして、ありがとうございました。
前回が「知識編」で、今回が実際の考察という予定でしたが、
調べたら、沼にハマってしまいまして、今回も
「知識編・その2」
となってしまいました。
ブログの内容は、私が個人的に調べたものを記録し、私なりの見解を書いているものです。
実際の正当性を保証できるものでもありませんし、こららの内容から、商品を積極的に奨励するものでもないし、批判するものでもありません。
また使用や契約などの決定に関しても、責任を負いかねますので、ブログの意見は、あくまで個人的な考察、一意見としてとどめていただき、最終的な決定は皆さんの判断で行っていただければと存じます。
さて、前回の当ブログ、『さすけ』さんのブログも参考に、一条工務店の防蟻処理については、多様な薬剤が用いられていることがわかりました。
この点について、現場監督さんに質問したところ、概ね認識として合っているとのことでした。
つまり、「防蟻処理のすべてをACQで行っているわけではなく、その材料や用途などにより、多種の防蟻剤を使用して処理を行っている」とのことでした。
一条工務店のHPでも、「適材適所の防腐・防蟻処理」として掲載されています。
この防蟻処理ですが、実に多様で、サスケさんの記事によると、
(家の躯体のみ抜粋)
●外壁周り、床材:マイトレックACQによる加圧注入材
●EPS、断熱材:ニッソーコートAWによる表面処理
●内壁側の柱(スタッド材):アリピレスによる表面処理
とのことでした。
このマイトレックACQ、アリピレスは、公益社団法人日本木材保存協会に認定されている木材防かび剤となります。
外壁まわり、床材の防蟻処理
ここからは、私がインターネットで色々調べたことを勝手に書いていきます。
調べた内容をある程度吟味して、記載してはいますが、引用元の情報の信頼性(会社HPや論文などは、流石に信頼性があると思いますが)を保証するものではなく、また上述の通り、正誤について一条工務店さんに確認したわけではないので、あくまで一意見として閲覧いただければ幸いです。
本当に気になる!という方は、直接、ご自身の工事担当さんか営業担当さんに質問してみることをオススメします!
まず、外壁まわりの木材や、床材については、マイトレックACQによる防蟻処理が行われています。
マイトレックACQは、株式会社コシイプレザービングの商品で、その主成分は、銅化合物、塩化ベンザルコニウム、アンモニア、水です。
加圧注入による防蟻処理に用いる薬剤として適しているということですが、その薬液の銅による影響で、注入された木材は緑色になります。
このマイトレックACQによる加圧注入処理が行われた木材は、一条工務店オンリーワンの技術というわけではなく、コシイプレザービング社さんも自ら、処理を行い、「ハウスガードシステム」と称して様々な工務店さん(採用会社さんは153社にのぼるそうです)に提供しているようです。
また、ハウスメーカーさんでは、ウェルネストホームさんでも採用されているようです。
このACQ加圧注入処理された木材ですが、独立法人森林総合研修所の試験においては、雨風が強い厳しい環境においても29年経過しても被害がなく維持できているようです(2019年時点でも試験は継続中)
ACQの安全性については、すでに保証されているものであり(そうじゃないと市販されていないと思いますし)、いくつかのブログおよびサイトにも記載されていることなので、ここで細かく論じるのは省略しますが、ACQの毒性については、砂糖とほぼ一緒(LD50値から評価)とのことです。
しかし、かたや食べ物、かたや薬ですから、毒性以外の副作用だってあるかもしれないし、一概に同様と言えるわけではないかと思いますが、『毒性』という観点からはあまり神経質にならなくても良いのかもしれません。😥
コーヒー内のカフェインや、とうがらしのカプサイシンなどにも毒性があり、カフェインのとりすぎで中毒症状を起こすこともあります。コーヒーやエナジードリンク好きの方は注意されるがよろしいかもしれません。(ま、1日1〜2杯とかなら問題ないと思いますが)
スタッド材など内部木材の防蟻処理
内部の柱(スタッド材)や窓枠に使用されている防蟻剤は、さすけさんのブログによると、アリピレスが用いられているそうです。
この「アリピレス」も日本木材保存協会で認定された防蟻剤です。
「アリピレス」は商品名であり、使用目的によって使い分けることができるように何種類かあるようですが、木材に使うのは、『アリピレス木部乳剤20』か『アリピレス20WSE』ですかね?
『アリピレス』の成分は、ビフェントリン、IPBC、テブコナゾール、ヘキサコナゾールです。(成分配合割合は割愛、上記2剤の主成分を抜粋しているため、全て含有しているわけではない)
カビ問題から始まったのに、すっかり防蟻処理についての記事になってきていますが、話を戻して、防腐関係に着目すると、このうち『防腐成分』(カビに効果あり?)のものは
●IPBC
●テブコナゾール
●ヘキサコナゾール
と考えられます。
IPBC
IPBC(ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル)は、1972年にアメリカ、トロイ社によって開発された防黴(ぼうばい)剤で、真菌及びカビ類に対する効果が期待されます。
また、最近では、芳香剤、消臭剤、化粧品などの日常品の防腐剤としても用いられており、安全性についても検証されているものです。
IPBCの安全性
https://animals-peace.net/wp-content/uploads/IPBC.pdf
動物実験の結果、無毒性濃度を20 mg/kg/日と設定していますが、このIPBC量を現実的な生活環境で、人間が摂取するというのはちょっと考えられないかと考えます。
また吸入毒性についても検証されていますが、現実的にはかなりの量を吸入しなければ安全という評価で良いのではないかと考えます。
さらに、住宅においては、壁紙の向こうのものですし、IPBCの蒸気圧は、2 x 10-6 mmHg (26℃)とのことですから、気体としてほとんど存在することはないと考えられ、吸入することもないのではないかと考えられます。
小さいお子さんが、建設中の現場見学に行って、柱を触った後に、その手を口に入れたり舐めたりしないように、手を洗うくらいの気遣いはしても良いかもしれませんね
テブコナゾールとヘキサコナゾール
このテブコナゾールも後述のヘキサコナゾールも、トリアゾール系の薬剤です。
建材に対する防腐剤としてだけではなく、農作物の病気を防ぐための農薬の成分としても使用されているようです。
アゾール系化合物の作用機構は真菌の細胞壁などの構造を構成する成分の合成が阻害されることで効果が発揮されます。
そのメカニズムからは、発芽後の禁止の伸長を抑制する効果が高いが、胞子発芽阻止能力は低いと言われているようです。
ヘキサコナゾールは、英国ICI社(現シンジェンタ社)により開発された化合物で、テブコナゾール同様、トリアゾール系の薬で、農薬などにも用いられている薬です。
ヘキサコナゾールの無毒性量としては、動物実験のデータにさらに安全係数100で除して、0.25 mg/kg/日としているようです。
これは、厚生労働省のHPによると、体重60kgの人が、ヘキサコナゾール0.02 ppm残留した農作物を毎日14.1 kg摂取し続けたとしても、一生涯の平均的な摂取量が許容一日摂取量を超えることはなく、また、1日に750 kg摂取したとしても、急性参照量を超えることはなく、健康に及ぼす影響はないという量とのことです。
また、こちらの蒸気圧も1.8 x 10-8 kPa (20℃)であり、殆ど帰化しないものとおもわれ、吸入による危険性はあまり気にしなくても良いのかなと思います。
まぁ、現実的には安全ってことですかね…
また、これらのトリアゾール系の薬剤は、真菌によるヒトの病気に対しての治療薬としても使用されています。
明確なこれらの薬剤の殺菌効果については調べきれませんでしたが、このことからも、これらの薬剤は真菌系にも効果があると考えることができるかと思います。
結局のところ、一条工務店の木材は
結局、色々勝手なことを書いてきましたが、一条工務店の建築資材が緑色(とくに1階部分)になっているのは、カビによる変色ではなく、防蟻剤による処理の影響が多分にあると考えられます。
このことは、一条工務店HPでも出荷前の材木がすでに緑色であることからも言えるかと思います。
※一条工務店HPより(すでに緑色です)
しかも、外壁側のみではなく、内側のスタッド剤や断熱材についても防蟻処理がされていて、しかも、床下1mという基準にとどまらず、1階屋根下まで処理しているという徹底ぶりです。
このことは、1m以上の高さでもシロアリの被害は起こり得るというデータに基づいているのかもしれません。
※画像はお借りしました
また、とくにスタッド剤など内部材に使用している薬剤の性質からは、防蟻性能のみではなく、防腐性能も有しており、木材腐朽菌やカビの発育にもある程度の抑止力になっているのではないかと推測されました。
「ある程度」というのは、私個人の考えであって、あくまで推測の域をでませんし、カビ対策としては「防カビ剤」という、木材保存協会に認定された別のジャンルに位置する薬剤もありますので、アスピレスなどが、カビに対する効果を直接的に期待して使用されているわけではないと思うからです。
ただ、無いよりは、ちょっとは期待できるかも?と分かったのは、良かったです。
いいだけ、寄り道して、結局あまり大したことは調べられませんでしたが、皆様のご参考にちょっとでもなれれば幸いです。
データが消えたりして大変でしたが、とりあえずここまで書ききりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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