ドブネズミが美しいというのなら
俺たちの汚れきった明日も輝くはず
リリーの声が響いている
この世界のことを愛している
「the neutral リリー」
4時に目覚まし時計をかけていたが珍しく起きれない。
ネコのリンが首の回りにじゃれつく。
ときどき爪を立てやがる。
気が済むまで踏ませてあげてようやく起き上がる。
窓の外は星空だ。
ラインを巻き替えなくちゃ。
リールにフロロカーボンの12ポンドを巻く。
いつもより一本多く3タックルを用意した。
リビングで寝ている嫁を起こさぬようにネコたちのエサを作りそっと家を出た。
ボートを倉庫から引っ張り出す。
膨らますのはやめた。
それよりさっさと北川に行きたかった。
コンビニでコーヒーとホットドック、ジャスミンティーを買う。
悩むのは嫌なので同じものを買う。
カーステからリリーが流れる。
俺の今日も輝かせてくれ!!
俺はこの世界のことを北川も愛している。
湖面に浮くと俺を待っていたかのように朝日が昇る。
回天を3投した。
風のない夜明けの湖面は鏡のようでプロップの引き波が広がった。
いつも同じやり方じゃたどり着けないものもあるだろう。
これまでの先を見つけるためにお決まりを捨てた。
開始早々にスピナーベイトでばらしてからが長かった。
ようやく出逢えた一匹目。
10時56分 立ち木にラバージグ。
アタリなきアタリにあわせた。
今日はこういう釣りかなと思い構えてきたジグロッドが役に立った。
本当はこのエリアの立ち木の間なら羽根もありえるとにらんでいたんだけど、、、
11時50分 田代の沈み橋が見えたところで引き返す。
16時22分 リミットメイクの5匹目。
RTO250 イェーイな一匹。
本当は釣果なんてどうでもいいんです。
サイズもこだわりませんでした。
浮くだけで俺の一日は物語になる。いや出来るかな?
湖面で過ごす時間はバスとの共有した時間と思います。ターゲットとして追うなら必死になるでしょう。以前はなっていた。
そういう釣りも出来るけどもういいやと思います。というより出来なくなったかなぁ。
必死になるにはもう体力が持たない。
欲張って釣ることよりもワンキャストに集中して想いを乗せて投げて出逢えた魚の価値は変わらないと思えるようになったのかな。
大好きなこの景色の中で一日遊んでくれたバスに感謝だよ。
俺も大人になったもんだ。
逆なのかな?
純粋に楽しめるようになったのは間違いない。