人差し指切断事件(中編)
※1 このブログにはグロテスクな表現が含まれています。
※2 この記事は中編なのでまだ前編を読んでない方はそちらからご覧ください。
振り返ると、3センチほどの僕の人差し指が床に転がっていました。
それはもうかなりパニくりましたよ。
拾ってみると、つい数秒前までついていた指ですから、温度があったのを覚えています。
でも、なんだろう。
冷たくもなく、温かくもなく、生ぬるい変な感じでした。
そして取れた指を持ってフロントに行き、
「すいません。指を切断してしまったので、救急車を呼んでください。」
と受け付けのお姉さんに言いました。
お姉さんは、切断した指を見ると顔が真っ青になり、ビックリしたのか息を吸いすぎて過呼吸みたいになってしまいました。
数分たって救急車が到着し、病院に取れた指を氷で冷やしながら向かいました。
病院に着いたら、少し検査をし、緊急手術の準備に入ります。
この時くらいからかな、
指が痛み出したのは。
切断面にもう一個心臓があるみたいな感じでドクドク痛み始めました。
手術は4時間くらいのかかりました。
指の先に行けば行くほど、血管や神経は細くなり、手術は難しくなるそうです。
そして指がくっつく確率も低くなると。
手術は一応成功したのですが、指先の血管が詰まるとそこから壊死してしまいます。
そうならない様に医者からの指示で、
30分おきに、自分で自分の指先をナイフで傷つけて、血を流させる
という、今思えばかなりグロテスクな作業がスタートしました。
それは深夜でも同じことで、30分おきに看護婦さんが僕を起こしに来てくれて、夜な夜なライトの明かりで自分の指を傷つけるということをしました。
そんな生活が数日続きました。
そして、指は壊死しなかったのかというと・・・。
指の爪の方は、無事血管も詰まらずにくっついたのですが、
指紋の方が、血管がつまり、壊死してしまいました。
医者から、
「指を残すのであれば、爪の方はそのままに、壊死した指紋の方は切除して、そこにお腹の肉を移植しましょう。」
と言われました。
その時、僕が一番気になっていたのが、
指がどうのこのより、試合に間に合うか、でした。
秋にある国体は無理にしても、年末年始にある春の高校バレー愛知県予選にはチームメイトの為にもどうしても出場したかったのです。
年末の試合に間に合うのか?と医者に尋ねると、
「移植などをすれば、やはり時間がかかります。
早く復帰する方法として、くっついた爪側の部分ごともう一度切断するという選択肢があります。」
と言われました。
切断するとなれば、人差し指は第二関節までしかなくなるということです。
いろいろ自分なりに悩みぬいた結果、
僕は、切断する、ということを選択しました。
つづく・・・