神様私に罪はありますか
北川 聖
神様私がいつ死ぬか教えて下さい
改心して生きますから
まだ10年は生きられますよね
死刑囚は壁に向かって呟く
答えはない
私は殺す気なんてなかったんですよ
頭の中が猛烈に熱くなって
気がついたら何人も倒れていたんですよ
神様私に罪はありますか
ガチャっと鍵が開き彼は死刑台に送られた
解説
「異邦人」を思わす詩である。殺す気はなかった、ただ太陽の光があまりに眩しかったから。
ムルソーに限らず、殺人犯の言うことはみな似ている。
異邦人が名作になったのは主に後半による、前半ほど目立たないがカミュが言いたかったのはほとんど後半だと思う。
これは詩である、異邦人と関係はないし、少し滑稽である、だが人生の多くの部分が滑稽であることはみんな知っている。ただ知らないふりをしてみんな生きている、
人生が本当は馬鹿げていることは多くの人が知っている、それでも生きることはやめない、それが何かは本人すらよく分からない。
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