喘ぎながら生きている
老人はやっとの思いで生きている
救いは何処にもない
過去の重い記憶だけがのしかかる
老いとは人生の罰だ
罪を犯していない人など一人もいない
死ねば罪が消滅するか
無邪気にはしゃぐ若い人よ
あなたは過去の罪を背負って生きている
だが今ひと時は若さを謳歌しよう
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死すべき時が近づいているが死が怖い
今40歳の人もたった30年で死が接近する
70代で大半が死に80代で殆どの人が死ぬ
若い時にはこれが理解できぬ
死は遠い彼方、永遠に生きる積りでいる
この錯覚でこの世は成立している
医者に死を宣告され死の間際まで
人は死なないと思う
意識の混濁が救いだ
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夜に燃え上がる狂気は
世界を滅ぼさんと欲す
生きとし生けるものに苦悩を与え
身体を引き裂く悪魔の王よ
仕事が終わり
会社を一歩出た瞬間
私は悪魔に憑依される
家には魔法円が描かれ
黒魔術の秘宝に熟達し
悪魔を召喚し呪いをかける
この世の不幸の源はここにある
太陽が昇る時正気に返る
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静謐な時が流れ
激しかった恋も
終焉を迎える
沈黙の風が枝を揺らし
生の痕跡は姿を消し
暗い影がのびる
生命の名残を石像に残しても
冷たく硬い皮膚がひび割れる
情熱的な抱擁も
死の抱擁となり
狂おしい激情も
今は十字架のもとに
安らいで眠る
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男も女も美しく生まれた方がいい
男も女も賢く生まれた方がいい
男も女も強く生まれた方がいい
男も女も愛深く生まれた方がいい
だが現実はまさに不平等
多様性がいいと言っても
私だけは良く生まれたいという
価値観に凝り固まっている
どうせ生まれるなら幸せに生きたい
それが確率の問題としても
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人間の欲望はキリがない
立派で金持ちの家に生まれ
お受験をして良家の学校に通い
東大を首席で出てハーバードに留学し
大企業に入り出世を重ねて
社長になり葉巻を燻らす
由緒正しき家柄の美貌の女性と
結婚し子供たちは次々に生まれ
医学部を出て大病院に就職する
行き着く先は都内の立派な墓だ
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久しぶりに会えたあなた
とても溌剌としているよ
明るく柔らかな表情が光に溶け込んでいる
僕を少し見上げる瞳が可愛すぎる
帽子がとても似合って天使の輪よりも素敵だ
愛しているという言葉が口から漏れてくる
僕もコーヒーを頼むよ 待たせてごめんね
これから美術館に行こうかな
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詩は天から降ってくる
それを待っていればいい
無理して書くとそれが伝わる
幸福な時の詩はつまらない
心に空白があるとそこに詩が降ってくる
心が満たされていない時詩が降ってくる
幸福な詩人などいない
心に欠落があるから詩が生まれる
幸せに包まれたら詩はやめたほうが良い
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ただ一つの些細な言葉が傷となって痛む
何の悪気もなく発せられた言葉がズキズキ疼く
こんなに繊弱な心では毎日が傷だらけになる
どんなに気を遣って話してもらっても
言葉の棘が突き刺さり気に病んでしまう
もはやこれ以上人と接することのない
天空の彼方で生きていたい
もう息をするのも苦しい
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あなたが殺人を犯したとする
あなたに責任能力はあるのか
心神喪失でなければ問うことができる
しかし本当だろうか
あなたを生んだのは親の責任
親が生みさえしなければその罪はなかった
親の親まで遡ると
宇宙の責任までいってしまう
宇宙の誕生でその罪は生まれた
では宇宙の責任を問えるか
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私達は道徳に汚されている
道徳とは権力者が拵えた規範に過ぎない
道徳を疑え、不用意に何も信じるな
学問を修めた上でそれを全部捨てよ
自分の頭で考え感性を信じよ
何よりも重要なのは自由を奪われない事
権力者は罪と罰で縛ろうと躍起になっている
何からも誰からも自由に生きていこう
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風があなたの髪をなびかせた
その清純な瞳に目が合う
いつも愛しているよ、心の中で言ってみる
あなたは私の表情を見て「えっ」と微笑む
あなたのように可愛らしい人はこの世にいないよ
また心の中で言ってみる
あなたは微笑みながら側に来て
私もよ、と心の中で言う
二人の間に声の会話はいらない
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澄みきった夜
無音の空間
私はこの空白の時間を愛する
私には眠りがない
安らかな眠りがあればいいものを
夜の静寂にいつまでも起きている
それはこの失われた時間が好きだから
この貴重な時間になぜ死んだように眠る
朝が来て夜が来る
この当然な流れに独り浮いている
今日も夜が明ける
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死にたい夜
人間への嫌悪感が増していく
なぜ奴らが死なないで俺が死ななきゃならないんだ
不条理感に苛まれる
俺が死ぬ時は人間の死ぬ時
全てを滅ぼしてから死にたいと強く思う
存在に耐えられない
虚無の世界へ行きたい
まず人間を殺してからだ
滅亡の焼野原を一人彷徨う
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悪夢を見ました
私が囚われの身になっている
しかも刑務所で
人間扱いされず暴行を受ける
寒いところでガタガタ震えている
私は何の罪だか分からない
私が絞首刑になるところで
目が覚めた
自分の思うようにならぬ悪夢は
なんで見るのだろう
私は思いました
今、天国のような生活を送っていると