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こんにちは。助産師の北川です。

 

 

今日は「授乳方法の選び方」についてお話しします。

 

 

最近は、父親の育休取得が進み、「育児を夫婦で分担したい」という考え方が一般的になってきました。おむつ替えや寝かしつけに加えて、「授乳も分担」と思う方も多いようです。

 

 

妊婦さんや産後すぐの方に授乳方法の希望を伺うと「混合がいいです」という答えが多く返ってきます。

 

その理由としてよく挙がるのは、

  • 母親だけしか授乳ができないのは、身体的・精神的負担が大きい
  • ミルクの方が長く寝てくれる
  • 母乳に強いこだわりはないし、完母にする自信もない

 

どれも、とても現実的な理由です。

 

母親が一人で全てを背負うのは無理がありますし、パートナーが育児に積極的に関わろうとする姿勢は本当に素晴らしいことです。

 

けれど、その「分担したい」という気持ちから安易に混合を選ぶことで、かえって授乳がうまくいかなくなってしまうケースを、私はたくさん見てきました。

 

 

 

混合は一見ラクに見えますが、母乳分泌のリズムを崩すリスクがあります。

哺乳瓶の吸い方は母乳と異なり、赤ちゃんが乳頭混乱(おっぱいを拒否すること)を起こすこともあります。

 

一度哺乳瓶の方を好むようになると、母乳が減る → ミルクが増える → さらに母乳が減るという悪循環に陥りやすいのです。

 
我が子におっぱいを拒否されることは、自分自身を拒絶されたように感じてしまい、想像以上に心が傷つきます。
 
再びおっぱいを飲んでもらうこともできますが、それには専門的なサポートと時間が必要です。そして長引くほど、おっぱいを再び飲ませることは難しくなります。
 
 
 
また、「保育園に行くから哺乳瓶に慣らしておきたい」という声もよく聞きます。
 
でも、保育園に預ける頃には、赤ちゃんはもう少し成長していて、哺乳瓶以外で飲めるようになっていたり、離乳食が始まってミルクの回数が減っていたりします。
 
あまりに先回りして対策しすぎると、肝心の母乳育児を妨げてしまい、その結果「母乳では足りず子どもが泣く」「おっぱいを嫌がる」「ミルクをどれくらい足せばいいかわからない」「母乳とミルク両方必要で時間と手間がかかる」など悩みが増え、1日に何度も訪れる授乳の時間が、苦痛な時間になってしまいます。
 
 
 
これらのリスクを承知したうえで「うちは絶対に混合!おっぱいを拒否されてミルクだけになったとしてもそれでいい!」という気持ちがあるなら、理想の混合に向けて全力で進んでいきましょう。
 
ただ、「混合は楽そうだから」「夫にも手伝ってもらいたいから」という理由だけでなんとなく始めると、本当に大切にしたかった「母乳を通して栄養や免疫を届けることや、長い育児の中でもわずか1年ほどしかない「母乳をあげるというかけがえのない体験」を、失ってしまうこともあるのです。
 
赤ちゃんは、いつでも私たちの都合のいいようには動いてくれません。意志をもった、一人のちいさな人間だからです。

「便利さ」よりも、「お互いの心地よい関係を育てること」に目を向けると、後悔のない選択ができると思います。
 
自分たちにとって本当に大切なことを、考えてみてほしいです。
 

 

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