大江健三郎 作家自身を語る中学生の頃から、大江が日本の文学の最先端だと思い、うまく理解できぬまま読み続けてきました。あまり感動するたちでは、ないのですが、大江のエッセイを読むと泣きそうになることがあります。かつて、脚光を浴びていた頃ではなく、新たな境地を開いた晩年の作品は、それまでの作品と比べて兵衛読み易く、感動的なものです。少なくとも、これだけ長きに渡り活躍した作家は、ほかにいません。今一度、読み返したい作家です。