生物というのは今の自分の状況に合わせて、体のつくりを変えていくものらしい。
一つの食べ物がなくなれば、他の食べ物を食べれるようになる。
パンダが肉食であったのを、笹の葉でカバーするように。

俺がここに引っ越して初めて見た動物は、犬である。
俺は頭が良い方ではないので、こんなことを覚えていることは奇跡に近い。
ただ、普通の犬ではなかったのだ。
ものすごいインパクトだったから、鮮明に覚えているのだろう。

これから自分が居住する場所に降り立った俺は、胸を高鳴らせながら道を歩いていた。

目の前にはバナナの皮が落ちていた。

すると前から、子犬を連れたおばさんが携帯電話で誰かと話しながら歩いて来る。

目の前にはバナナの皮が落ちている。

もちろん俺は、おばさんの不注意で、すってんころりんと転ぶベタベタなコントを描いた。
このハプニングを誰しもが望んだだろう。

息を呑んで見守る、俺を含む周囲の方々。

すると、

食べた。

犬が。

バナナの皮を。

愕然とする、俺を含む周囲の方々。

ここで母の一言。

「転ばないんだ~」

違う。
今、それは違う。

もっと突っ込むべき点があるだろ。
ドリフターズもビックリのオチである。

生物というのは今の自分の状況に合わせて、体のつくりを変えていくものらしい。

一つの食べ物がなくなれば、他の食べ物を食べれるようになる。
飼い犬がドッグフードであったのを、バナナの皮でカバーするように。