生物の授業中、先生は言う。

「分裂と増殖はイコールです。」

なるほど。
分かりやすいではないか。

アメーバ君が一匹、ここにいる。
培養して二匹に増えた時、それは同時に分裂したことになる。

おっとここに、もう一匹のアメーバ君もいたぞ。
こいつを切断し、2つに分けた時、それは同時に増殖したことになる。

なるほど。
分かりやすいではない…か?

待て待て。
俺は授業の真っ只中で、頭をめぐらす。

ふえるわかめ君が一枚、ここにある。
水に浸けて増えた時、それは同時に分裂したことに…なるか?

おっとここに、もう一枚のふえるわかめ君もあるぞ。
こいつを切断し、2つに分けた時、それは同時に増殖したことに…なるのか、おい?

待て待て。
つじつまが合わないではないか。

しかし我が校の頼れる生物の先生が、嘘をつくとは思えない。
原因は、ふえるわかめ君サイドにあるはずだ。

まぁ、生物の小一時間は無駄にしたものの、結論はすぐ出た。

業者のネーミングに間違いがあり、一生徒の先生に対する信頼感が揺らいだだけだったのだ。
しかし、いくら小さい出来事であっても、生物を学ぶ高校生の誰もが通る疑問であり、業者さんにクレームの電話の一本でも入れるべき大問題なのだ。
お暇な方は是非、全国の高校生を担って、「ふえるわかめ君お客様センター」に、こう言って欲しい。

水に浸すと「ふえるわかめ君」は、あくまで、
水によって「膨れるわかめ君」である、ということを。