魚焼きグリルが死んでいました。
うまく説明できませんが
死んでいたんです。
魚を焼くと言えば
フライパンにアルミホイルを敷いて
包むようにして焼くんです。
うらがえす時
アルミホイルごとひっくり返すので
楽に焼けるんですよ。
魚を焼くのに不自由を感じたことがなく
魚焼きグリルの魅力も必要性も
なにも感じることがなく
30年以上を生きてきました。
昨年引っ越してきた中古物件には
どうやら高性能なコンロが付いていたらしく
勿論魚焼きグリルも生きていました。
しかし、30年以上
魚焼きグリルを使ったこともなければ
必要性も感じたことがない。
引っ越してきて1年以上
生きている魚焼きグリルを
活かしたことがありませんでした。
そんな33歳のとある秋の日
何を思ったか唐突に
「我が家にはトースターがないが
魚焼きグリルでトーストすると楽なのでは？」
と、思い立ち
母が買っていたチョコレートのパンを
チョコっと焦がして食べてみたら
美味しくなる気がして
魚焼きグリルでパンを焼いてみるテスト
などとツイートし始めました。
前述した通り
私は30年以上
魚焼きグリルを使ったことがありません。
使い方もよくわかりません。
要するに、焼き加減がよくわかりません。
ガス屋さんがガス点検の際に言いました。
「これはいいコンロですね、
魚焼きグリルも、
焼き加減をボタンで選択すれば
勝手に焼いて消火してくれます！」
へぇ、そうなのか。
じゃあパンは？
パンの焼き加減は？
わからないけれど
オーブンレンジのオーブン機能だと
まぁ両面で10分くらいかかった気もする。
とりあえず点火したら
8分という表示。
うん、じゃあそのくらいなのだろう。
私は悠長に
魚焼きグリルの前でプルームテックを咥え
グリルの火が消えるのを待ちました。
…待ちました…
…待ち…
あ？
なんかコンロの後ろの方から煙出てない？
さっきまでほの甘い香りがしていたけれど
この煙は煙たくない…？？？
とりあえず火を消してみて
魚焼きグリルをオープンしました。
察しのいい読者様はおわかりですね。
カバー写真が何だったのか。
ええ、あれは炭と化した
チョコレートのかかったパンです。
チョコレートパンです。
ゲラゲラ笑う母
それは僕は食べられますかという顔で見上げる犬
これなぁに？と優しく微笑む父
チョコレート
パン
です
先程まで甘く可愛らしい姿だったチョコレートパン
今となってはただの炭。
あまりに可哀想なので
秋らしく可愛く装飾して
供養して差し上げましょう。
ほうら、可愛くなったね。
…今日、私は30年以上生きて
初めて魚焼きグリルを使いました。
そして学びました。
魚焼きグリルでパンを焼く時は
そんなに時間がかかりません。
みなさんも時間の無い朝
魚焼きグリルで
トーストに挑戦してみてはいかがでしょうか。
きっと時短になりますよ。