彼が僕を創った(焼け石に水)
ここ数年の若手監督で、フランソワ=オゾンほど私に刺激を与えた監督はいないだろう。
ゲイ的センスであるとか鋭いブラックユーモアなどが取り上げられるオゾンだが、何より特筆すべき点は彼の「着眼点」と「イメージ力」だと感じている。
愉快であるとか不快であるとかを通り越して、観る者に刺激を与える「挑発者」であるのは間違いない。
「焼け石に水」に関わるメモ
・原作はドイツの映画、演劇人ファスビンダーの戯曲。
・ファスビンダーがこの戯曲を書いたのは19歳の時。
・オゾンが他人の原作を脚本に使うのは今回が初めて。
・オゾンはファスビンダーを尊敬している。
・映画化するにあたって参考にした作品は「ペトラ・フォン・カントの涙」と「スモーキング/ノー・スモーキング」。
・テーマは「カップルの一緒に生活することの煩わしさとルーティンの毎日に耐える難しさ」。
・舞台は'70年代のドイツ。
・登場人物は4名。
・現実は人を裏切る。
・より多く愛するものは常に敗者となる。
・愛は存在しない。存在するのは愛の可能性だけだ。
物語の冒頭より、「カップルにつきまとう危うさ」を常に感じさせる巧みな構成はお見事。
観客に緊張感を与えながらも、同時に、明確なテーマを提示しつづけることにより発生する安堵感も与えるからだ。
オゾン特有のディテールへのこだわりや、キッチュなユーモアセンスも堪能できる。
ゲイ的センスであるとか鋭いブラックユーモアなどが取り上げられるオゾンだが、何より特筆すべき点は彼の「着眼点」と「イメージ力」だと感じている。
愉快であるとか不快であるとかを通り越して、観る者に刺激を与える「挑発者」であるのは間違いない。
「焼け石に水」に関わるメモ
・原作はドイツの映画、演劇人ファスビンダーの戯曲。
・ファスビンダーがこの戯曲を書いたのは19歳の時。
・オゾンが他人の原作を脚本に使うのは今回が初めて。
・オゾンはファスビンダーを尊敬している。
・映画化するにあたって参考にした作品は「ペトラ・フォン・カントの涙」と「スモーキング/ノー・スモーキング」。
・テーマは「カップルの一緒に生活することの煩わしさとルーティンの毎日に耐える難しさ」。
・舞台は'70年代のドイツ。
・登場人物は4名。
・現実は人を裏切る。
・より多く愛するものは常に敗者となる。
・愛は存在しない。存在するのは愛の可能性だけだ。
物語の冒頭より、「カップルにつきまとう危うさ」を常に感じさせる巧みな構成はお見事。
観客に緊張感を与えながらも、同時に、明確なテーマを提示しつづけることにより発生する安堵感も与えるからだ。
オゾン特有のディテールへのこだわりや、キッチュなユーモアセンスも堪能できる。
僕が逃げたのだ(ジョゼと虎と魚たち)
田辺聖子原作の短編を映画化。美しい作品です。
ストーリーは、大学生の男の子と足の不自由な少女の恋と別れ。
そう、ふたりは別れてしまうのです。
物語の冒頭より語られるこの別れによって、この物語に「リアリティ」を感じ、また「少女のたくましさ」といったものを印象づけられました。
主演は妻夫木聡と池脇千鶴。
正直いうとこの両名についての知識が乏しかった私ですが、池脇の達者な演技には感心させられました。
説得力のある演技とでも言いましょうか。リアルな演技ではないかもしれませんが、この人の演技には違和感を感じませんでした。才能なのでしょうね。
モノクロームが随所に入る構成も効果的です。
過ぎ去ってしまった素敵な時間をより印象づけるこのモノクロームと、冬の美しい映像がこの作品を彩っています。
俺はすべてを手に入れた!(銭ゲバ)
原作というか、ジョージ秋山ファンの私にとって非常に楽しみにしていた作品です。
ことごとくタイミングが悪くて観られてなかったんです。
物語は、銭ゲバが新宿(?)を徘徊するところから始まります。
食料とおんなを求めて歩き回る銭ゲバは、すべてを手に入れるためにある会社社長を狙います。
銭ゲバの目論見はみごと達成できるのか? また、金を手に入れる事によって彼が望むものは手に入れる事ができるのか?
ストーリーに関しては下のサイトさんが詳しく紹介されています。
http://home.f05.itscom.net/kota2/jmov/2001_04/010402.html
キャストも私好みの配役。
銭ゲバ役には当時、状況劇場の座長だった唐十郎。
社長の娘役には緑魔子と横山リエ。
メインも脇も非常に濃い~キャストです。
東宝が発行した宣伝資料を見たのですが、“広告を掲載する際は、過激な表現を必ず(大きく)出して下さい”みたいな表記がされていて、この時代の東宝がいかに苦しかったのかが覗えました(笑)
ちなみに主題歌である「銭ゲバ行進曲」のレコードは、いまではかなりのプレミアがついています。
非常にインパクトがある曲なので是非ともCD化を希望しますが、無理でしょうねえ。
原作を知っていると物足りない部分も多々ありましたが、当時の風俗とか役者の演技などで十分に楽しめました。
ことごとくタイミングが悪くて観られてなかったんです。
物語は、銭ゲバが新宿(?)を徘徊するところから始まります。
食料とおんなを求めて歩き回る銭ゲバは、すべてを手に入れるためにある会社社長を狙います。
銭ゲバの目論見はみごと達成できるのか? また、金を手に入れる事によって彼が望むものは手に入れる事ができるのか?
ストーリーに関しては下のサイトさんが詳しく紹介されています。
http://home.f05.itscom.net/kota2/jmov/2001_04/010402.html
キャストも私好みの配役。
銭ゲバ役には当時、状況劇場の座長だった唐十郎。
社長の娘役には緑魔子と横山リエ。
メインも脇も非常に濃い~キャストです。
東宝が発行した宣伝資料を見たのですが、“広告を掲載する際は、過激な表現を必ず(大きく)出して下さい”みたいな表記がされていて、この時代の東宝がいかに苦しかったのかが覗えました(笑)
ちなみに主題歌である「銭ゲバ行進曲」のレコードは、いまではかなりのプレミアがついています。
非常にインパクトがある曲なので是非ともCD化を希望しますが、無理でしょうねえ。
原作を知っていると物足りない部分も多々ありましたが、当時の風俗とか役者の演技などで十分に楽しめました。
いつも君の事を想っているよ(テルミン)
電子楽器の始祖である「テルミン」を発明したレフ・セルゲイヴィッチ・テルミン博士の半生を描いたドキュメンタリー映画。
「テルミン」が誕生しなければ、現在の音楽はどうなっていたのだろう?
音楽だけではなく、例えば映画やTVなどの効果音もどうなっていたのだろう?
テルミン博士の発明は、想像以上に世界中に影響を与えている。
劇中にはロバート・モーグ、ブライアン・ウィルソン、トッド・ラングレンなども出演。
この映画からは深い人生の悲哀を感じた。
ラストのテルミン博士と愛弟子クララの再会シーンはまさにそのクライマックスだ。
いつも君の事を想っているよ 現実の君ではなく 夢の中の君を
運命に翻弄された博士だからこそ、この言葉を発する資格があるのだと思った。
何も許されてないんだ。何も。(シャイン)
実在のピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴッドの半生を描いた作品。
テーマは、父親との葛藤、夢、挫折、そして愛する人との出会い。
つまり、それはそのまま、この映画を観ている観客の人生となんら変わる事はありません。
この映画で語られているヘルフゴッドの人生を「エディプス三角形」に当てはめてみると、内容が単純になるような気がします。
ヘルフゴッドが大好きな「ピアノ」という存在に関わるためには、彼の権威の象徴である「父親」を媒介としないといけない事から苦悩します。
自らが「父親」となろうとする「脱エディプス」の状態も、“突然訪れた悲劇”によって阻害されてしまうのです。
そんな彼の人生に対して、この作品が意図的に“救い”を表現している箇所があるとすれば、新たに愛すべき対象となった「シルヴィア」の登場シーンでしょう。
この作品に関わらず映画全般にいえることだと思いますが、人の半生を描き切るには時間が短すぎます。
テーマを絞ってもう少し内容を掘り下げて欲しかった。良い作品だけに、そんな気がしました。
DVD-BOXセール
今日は忙しかったので、(現実逃避の意味で)アマゾンでお買い物しました。
DVD-BOXのセールをおこなっているので、3BOXほどいかせていただきました。
・24アワー・パーティ・ピープル→¥2,961(40%OFF)
・ウディ・アレン コレクションBOX→¥14,553(30%OFF)
・猿の惑星 BOX SET→¥10,878(30%OFF)
買わなきゃシヌー という商品はなかったのですが、なんとなく買ってしまいました。
既に売り切れていた「シャーロック・ホームズの冒険 完全版 DVD-BOX」がいくらだったのかが気になります…。
DVD BOXセット・セール
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/feature/-/556244/ref=amb_ilm_179956/250-5257532-7762642
DVD-BOXのセールをおこなっているので、3BOXほどいかせていただきました。
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買わなきゃシヌー という商品はなかったのですが、なんとなく買ってしまいました。
既に売り切れていた「シャーロック・ホームズの冒険 完全版 DVD-BOX」がいくらだったのかが気になります…。
DVD BOXセット・セール
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今夜、彼は人生の大掃除をしたんです(奇人たちの晩餐会)
話しの筋は、バカを笑っているつもりの人が逆に笑いの対象となってしまうというもの。個人的には、フランス映画なので本当にバカを集めて笑うだけの内容を期待していました。
この映画はピニョン(ジャック・ヴィルレ)の可笑しさが全てですね。この人、デブでハゲという本当に分かりやすいキャラなんですが、動きとかもカワイイんでついつい笑いがこみ上げてきます。
面白かったシーンはピニョンの友人である査察官が奥さんを寝取られていた場面。残念だったのはラストが中国のギャグ映画みたいにベタすぎなところ。
シチュエーションコメディーなんで三谷幸喜好きな人にはオススメです。
至極個人的なことなんですがこの作品を薦めてくれた友人の普段の言動を考えると、薦めてくれた理由に悪意があったように感じてしまい、見終わった後ちょっと沈みました。おわり。