誰かの家の訪問する際、家主に自分の到来を告げる最もオーソドックスな手段と言えば、チャイム(インターホン)を鳴らすこと、ですよね? それで応答した家主が玄関までやって来るか、若しくは「鍵開いてるからどうぞ」などと言われて初めてオープンザドアと相成るわけで。まあ今の時代は携帯がありますから、訪問者がもうすぐ到着するかなってところで事前に連絡を入れ、それに対し家主が「じゃあ鍵開けとくから、着いたらそのまま入ってきてよ」なんて応じる展開もあるでしょうけど、いずれにせよオープンザドアの主導権は常に家主側が握っているのは間違いないはずなんです。

でもね、稀にいるんですよ、チャイムを鳴らすと同時にノブを回したり(←引き戸なら引く)、更に上手になるとチャイムも鳴らさずいきなりノブを回したり、そんな家主の了解も得ずにドアを開けようとする侵略者みたいな人間が。普段からお互いにそういうお付き合いの仕方をしているなら話は別ですよ。それはそれで「暗黙の“了解”」が出来上がっているわけですから。そうじゃない、信頼関係も何もない赤の他人同然の相手からそれをやられると、驚きとか呆れを通り越してもうちょっと怖いですわ。どういう神経の持ち主なのか理解に苦しみますからね。

どうしてこの話題を持ってきたのかというと、年度が変わって新しく鬼の棲む町内ブロックの組長を務めることになった老婦がまさにこの手の人種なんです。普段から付き合い? 全くござーせん。こういう風にどちらかが町内会の役員でもしない限り顔を合わせることもないんです。

な・の・に、ですわ。

もし鬼が裸族で、廊下を歩いている最中だったらどうすんねん!と。そもそも鬼家の玄関ドアは常時施錠しているからオープンザドアされることはないですけど、何の前触れもなく“ガチャッ”と音がして家に振動が走る(←無理に引き開けようとしてますからね)のは、はっきり言って心臓に悪い。宗教上の理由とかじゃないなら、とりあえずチャイムを鳴らす関係から始めませんか?

 

怖いついでに、もう一つ近所の話。

鬼家は門扉の手前が二段ほどの階段になっておりまして、向かって右の門柱の前には、その段差を埋める高さのちょっとした花壇があるんです。まあ花壇と言っても、植わっているのは低木(タマツゲ)なんですけどね。余白には、その時々の雑草が生えている感じで。

低木がある程度の長さまで伸びてきたら、枝を落としたり、幹自体を切ったりします。同じ要領で、雑草も刈ります。春以降、週に一度は鬼庭の手入れをしていますから、その際伸び具合を確認するなどして、割とこまめにやっているんです。

な・の・に、ですよ。

何日か前、ふと花壇に目をやったら写真の有様ですわ。






お判りいただけますか? びっくりすることに、低木が切られ、雑草が抜かれていたんです(右に積まれているのが、その切られ(抜かれ)た草木)。そう、鬼の知らぬ間に。考えられへん!!!でしょ? 誰に、何の権利があって、他鬼様の家の花壇を侵しているのでしょうか。たとえ親切心でもあり得ないですし、(絶対違いますけど)仮に花壇から伸びた低木が通行の邪魔をしている場合であっても、鬼の了解なしに勝手にどうこうするなんて所業がまかり通っていいわけないじゃないですか。いや、怖いですよね、普通に。先述の話と並んで、どういう神経の持ち主か理解に苦しみますから。

長年棲んでいますが、さすがにこんなことは初めてです。完全に一線越えてきたなと。いったい誰の仕業なのか。まあ近所でこういう余計なお世話を通り越した迷惑行為をする人間は、きっとあのオバハンに違いないんですけど。兎にも角にも、鬼が棲む場所らしく、ここは魑魅魍魎が跋扈する地獄の〇丁目でございます。