不思議(と言ってもあくまで個鬼的にだが)なもので、好きな漢字がそのまま自分の理想や求めているものだったりする。例えば、『鬼』であるとか『艶』であるとか『凛』であるとか。

 

世の中にはカワイイとされる女の子もキレイだと言われている女性もたくさんいる。そういうガール&レディは大抵目を引くようなスタイルも備えている。紙面や画面の向こう側の住人たちともなれば尚更。食生活の変化、美容技術の向上等々、原因は種々あるのだろうが、鬼が子供の頃と比べても絶対数は増えているように思う。

 

ただ、一方で『艶』とか『凛』を感じさせる女性は数を減らしている印象がある。世間というか、流れを作る者らがあまり求めていないのだろう。『艶』にしろ『凛』にしろ、その前提には『品』がある。ひと昔前、単に露出が多い歌手を『エロカワ』と表して持て囃した時点で、ベクトルがまるきり逆を向いているのは分かった。品性が欠けていようが、ビジュアルがそれなりに良くて、何でもぶっちゃけられれば重宝される。元テレビっ子の鬼が視聴者の立場を離れてから一層その流れが加速したであろうことは想像に難くない。

 

『艶』や『凛』を追って、だから鬼は旧い映画の世界に飛び込んで行く。銀幕を彩った往年の女優陣は、皆一様に『艶』があり『凛』としている。彼女達はほとんど肌を見せていない。けれど、先述した『エロカワ』路線を走るオナゴよりも余程色気がある。それに、オノコの鬼から見ても格好良いのだ。性別は違えど、見習うべき点は少なくない。

 

因みに、写真は小暮実千代丼。

飲み屋の女将さん役とかやらせたら天下一品。鬼が格好いいと思った女優のひとりである。