どのような業界でもあると思います。

大きな文字で


「〇〇プロ使用モデル」
「〇〇プロ監修」
「〇〇プロと共同開発」
etc…

と書いてある商品。




かなり魅力的な宣伝文句です。


ましてそれが有名なプロや尊敬するプロであれば
その道具を使う事でそのプロに近づけるような気持ちになると思います。



ところが、時にはプロ仕様の道具を使う事でパフォーマンスを下げてしまう事もあるということについて今回はお話したいと思います。







例を1つあげてみましょう。


水泳を始めてまだ間もない人がレース用のゴーグルを選ぶ時、


パッケージに”〇〇選手着用モデル”


という宣伝だけ見てゴーグルを買ったとします。


ところがそのゴーグルは抵抗を減らす為にレンズのサイズが小さく、目との間のクッションゴムもない物でした。


いつも使っているレンズが大きくてクッションゴムのついた物よりも

水の抵抗を減らす事に重点を置いている為、高さも低く、視界も狭い完全なプロ仕様です。


パッケージにも従来のモデルより15%水の抵抗を軽減したデザインだと書かれています。






水泳を始めてまだそこまで時間が経っていない人が
このゴーグルを使う事で大幅にタイムを縮める事は出来るでしょうか?





恐らくタイムを縮める事は出来ないと思います。






理由としては、飛び込みの技術もそこまで高くは無いのに水の入りやすいゴーグルを使う事で

飛び込む時の第一優先が





”スピードに乗せる事”


から


”ゴーグルに水が入らない事”


に変わってしまいます。





スピードに乗せやすい入水姿勢よりも、水が入らないように勢いをつけないで優しく入水する飛び込みではタイムが縮まる筈がありません。


しかも残念な事にそれだけ注意して勢いを殺してまで飛び込んだとしても大体水は入ります。



水が入った小さいレンズでは前はろくに見えないのでコースを蛇行して泳ぐ事になります。



真っ直ぐ泳ぐよりも蛇行して泳いだ方が、トータルで泳ぐ距離は長くなってしまうのでここでもタイムをロスします。



また、フォームがまとまっていないとクッションゴム無しのゴーグルでは泳ぐだけで水が入ってくる事もあります。




そんな状態で集中して泳げるでしょうか?



ゴーグルという身体全体から見れば小さなパーツの15%抵抗軽減よりも、

それに気を取られてい飛び込みも泳ぎも本来のフォームをとれないのであれば
そのゴーグルをつける事で明らかにタイムロスが増えます。








ちなみにこれは僕の小学5年生くらいの時の実体験です。


日本人スター選手着用モデルのゴーグルでレースに出た方がタイムが遅いのです。



ですがこれはそのゴーグルが悪いのではなく、その時の僕の飛び込みと泳ぎのレベルが道具に追いついていなかった為に

無意識のうちに速さよりも、ゴーグルに水が入らない事を優先してしまって起こった事です。





飛び込みも、泳ぎも全てにおいてもう改善の余地が無いくらい極めた人間が0.01秒単位でタイムを削る為に使う道具を

そのレベルに達していない人が使っても道具の良さを活かせないばかりか己のパフォーマンスを下げる事にもなってしまいます。




水泳用品に限らず、プロ仕様の道具を使う時には気を付けなければならない事だと思います。




頂点を極めた人向けにかなり尖った設計になっている事が多いので、使い手に一定以上の力量が問われます。





これは泳法でも全く同じことが言えます。





基礎が固まっていない人に”応用の極み”みたいな競泳選手の泳法を真似したところで速くなるばかりか、その人の本来持っているポテンシャルを下げてしまう事さえあるのです。




”〇〇選手直伝!”
”オリンピック選手のフォームの秘密”



などと書かれていると僕も気になりますし見てしまいます。



しかし、実際には

1日に10000m以上の練習を5年以上こなし、膨大な量をこなす事で積み上げた
確かな基礎があってはじめて成り立つテクニックである事が多いです。




一般の方の場合、そこまで水泳にかけられる時間も気力も体力も無い方がほとんどではないでしょうか?




「それでもやりたい!」

「自分は毎日水泳の為に最低でも3時間は時間を作れる!」



という方にはオススメできますが、
そうでない方は先ずはしっかりとした基礎を作る事から始めるのが一番の近道であり王道です。







いきなり背伸びをするのではなく、焦らず正しく積み上げた基礎の上に


1つ1つ慎重に丁寧に積み重ねていくような練習こそが、真の上達への道であると思います。





数学を教わった時、

いきなり微分積分から始める事はなく

足し算、引き算、掛け算、割り算ができてからはじめて教わるはずです。





水泳でもなんでも同じです。







プロの泳ぎを真似しても簡単にタイムは伸びません。

※正確には、基礎が足りないため真似できない。




しかし、

正しい基礎を学び、身体で表現できるようになってからであればプロの泳ぎから学ぶところはたくさんあります。





”大人の為の基礎作り”





基礎練習というと単調でつまらないイメージを持たれる方が多いと思います。


それを如何にして”楽しく”感じてもらうか。




僕もまだまだ手探りですが一歩一歩確実に理想のレッスンに近付けるように精進していきます。




…またタイトルから大幅に話が脱線したような気がするのですが、それこそが僕の真骨頂ですのでお許し下さい。笑




Aso  infinity  farm     facilitator 茂木