一度しか会ったことがない人を

思い出すことがあります。




4~5年前、友人とカフェにいた時の事。




入り口に向かって、

二人連れの女性が入ろうとしてましたが、

一人は両手に杖、

足が悪いらしく、

カフェに入るまで、相当の時間かかっていました。




お店の人も「大丈夫ですか」と声をかけ

「ありがとう、大丈夫よ」と




そばの席にいた私達が、

相当心配そうな顔をしていたのでしょう。




「7年前に、手足がだんだん動かなくなる難病になったの」



びっくりして思わず大変ですね、と。



すると、お連れの女性が



「そうなのよ。それなのに彼女、

お庭いっぱい沢山の綺麗なお花を育てて、

遠い人も見に来る位!


私なんて何の不自由もないのに、

何にもしないで、

くだらない愚痴を言って

逆だよね、おかしいよね!って

いつも二人で大笑いしてるの」



とおかしそうにお二人で大笑い!


つられて私達も笑いましたが、




二人、いい関係だなあ…





「手足が不自由だから、何をするにも人の何倍も時間かかってね。


孫に頼まれてお料理つくる時は、朝からやらないと間に合わないし、

お花は大好きで、皆さんに綺麗ですねって言われると嬉しいの」




病気を知った時は

本当にショックで苦しかったと思います。




でもこの女性は病気を苦にしていない!

悲壮感がない!

覚悟を決めて受け入れ

しかも前に進んでいる!




日常を普通に話をしている表情は

優しく穏やかで少女のよう…





この女性に、与えられたお役目なの?





私は思い出すたびに、


今日も庭のお花のお手入れを

笑顔で楽しんでいる姿を

いつも想像しています。






覚悟を決めて



前に進んで行きなさい…





これが、


一度だけの出会いが


私にもたらしたこと…