個人事業主になったら青色申告にした方がいいのでしょうか? | 自分らしく生きるためのお金のこと

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~ファイナンシャルプランナー清原俊之が伝える大事なお金の話~

昨日の「個人事業主は開業届を出さないといけないのでしょうか?」につづいて、

今日は青色申告についての質問です。

 

 

≪質問≫

 

個人事業主になった場合、青色申告した方が得だということを聞いたのですが、

青色申告にした方がいいのでしょうか?

 

 

≪僕の回答≫

 

まず、個人事業主の確定申告には「白色申告」と「青色申告」の二種類があります。

 

何も申請しなければ白色で、簡単な帳簿をつけておけばよい分、

通常の確定申告する分だけの控除しかない。 

 

青色は、事前に申請が必要だったり、仕訳帳、損益計算書や貸借対照表といった

ちゃんとした会計処理が必要になる。

その分、65万円の控除があったり、赤字を翌年以降の黒字と相殺できたり(3年以内)と言ったメリットがあるます。 

 

ちなみに所得(利益)が所得控除以下の場合は確定申告が不要なので、

所得がそれほど多くならないという人はわざわざ青色申告の申請をしなくてもいいかも。

 

所得控除として主なものは

 

全員が受けられる基礎控除38万円

配偶者の所得が38万円以内(給与収入103万円以内)の時に受けられる配偶者控除38万円

国民健康保険、国民年金の支払額の社会保険料控除、

生命保険料などの支払額から計算する生命保険料控除

医療費が多くかかった場合の医療費控除

 

などがあります。

 

ただし、確定申告は不要な場合でも、後で税務調査が入る可能性が全くないとは言えないので

念のため収入や支出はきちんとまとめておいた方がいいですよ。

 

 

所得が多い人については青色申告をした方が、

通常の所得控除に加え65万円ほど所得から控除できるので節税になります。

 

ちなみに65万円の控除がどれだけ節税になるかというと、

所得税率  5% で   3万2500円 

所得税率 10%  で   6万5千円

所得税率 20%  で 13万円

です。

 

 

じゃあ、始めたばかりは売上も利益も少ないから白色で、

事業が順調にいきだしたら青色にしたらいいんだね、と思うかもしれません。

 

それももちろんありなのですが、しばらくは赤字になる可能性もありつつ、

数年後にはある程度の利益がでそうであれば、最初から青色申告にするという手もあります。

 

これは最初に書いた青色申告のメリット

「赤字を翌年以降の黒字と相殺できる(3年以内)」

を活用する方法です。

 

例えば、

1年目 300万円の赤字

2年目 100万円の黒字

3年目 500万円の黒字だった場合

 

白色申告では

1年目 課税なし

2年目 100万円から所得控除した金額に課税

3年目 500万円から所得控除した金額

となるところが

 

青色申告では

1年目 課税なし

2年目 課税なし

3年目 300万円から所得控除した金額

となるのです。

 

 

事業をはじめてしばらくは、

売上も少なかったり、設備や備品をそろえるのに費用がかかったりで

赤字になる可能性もありますよね。

でも将来的に黒字にしていきたいと考えているのなら最初から青色申告にしておくのもありです。

 

 

僕が開業届と同時に青色申告の申請を行ったのは、これを狙ってのことです。

 

 

 

【参考サイト】

国税局 No.2070 青色申告制度

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm