Kit-no-blog -2ページ目

Kit-no-blog

管理人kitが、日々書きたいことを書き連ねます。興味がある人は、読んでみてください。本、マンガ、ゲーム、パソコン、カメラ、ガジェット、、、思いつくまま、書きたいまま、書いていくつもりです。


官僚に学ぶ仕事術 ~最小のインプットで最良のアウトプットを実現する霞が関流テクニック~ (マイ.../久保田 崇

¥872
Amazon.co.jp

第一章 霞ヶ関で求められる仕事術
第二章 キャリア官僚の人脈術&コミュニケーション術
第三章 トップ1%になる官僚の読書術
第四章 世界の現場で通用する英語術
第五章 仕事を充実させる官僚のプライベートライフ
第六章 本当に豊かな人生を送るために

著者は30代半ばの若き官僚。
この本を読んだ後に本屋に立ち寄って、思わず手に取ってみた。
方向性は全く逆。

刺激が強いこの本の後だったからか、しごく全うな勉強本という印象。

「全国の20代・30代のビジネスパーソンが過去1年間に読んだビジネス書は平均3.1冊」
「30~49歳が1日あたりに費やしている「(学業以外の)学習・研究」は7~8分」

使い古されたデータだが、客観的なデータなのも事実。
たしかに本読まない人って多い。
とりあえず本読もうってことですね。
勉強のためって考えず、ただただ読み続ける。
これが大事。
一日一冊読めば年間365冊読めるんだから。

「情報の取捨選択のモノサシを持つ」

小飼弾氏が「衝突断面積」って言ってること。
同じ情報を聞いても受け止める側で違ってしまう。
そのためにはまたしても本を読もうってこと。

「世界に最もよい影響を与えている国」

著者は日本をこう評している。
たしかにそうなんだろう。
日本って害がない国だから。


しごくまっとうな勉強本。
誰でもすんなり読める。
著者は年間数百冊読むとのこと。
そういう人が書いた本を読んでみるのもいいのでは??

官僚に学ぶ仕事術 ~最小のインプットで最良のアウトプットを実現する霞が関流テクニック~ (マイ.../久保田 崇

¥872
Amazon.co.jp

官僚の責任 (PHP新書)/古賀 茂明

¥756
Amazon.co.jp

第一章 「政治主導」が招いた未曾有の危機
第二章 官僚たちよ、いいかげんにしろ
第三章 官僚はなぜ堕落するのか
第四章 待ったなしの公務員制度改革
第五章 バラマキはやめ、増税ではなく成長に命を賭けよ

「改革派の旗手」として有名な著者が官僚を叩きまくっている本。
一年半以上、仕事がなく干されていた上、今年の6月に正式に退職勧奨を受けているらしい。
そこまでの人が書いているからには真実に近いのだろう。

「はっきり言う。日本の官僚は優秀でも公正でも中立でもない。」
「「官僚組織は日本最高の頭脳集団」そんなものはたんなる幻想にすぎなかったのだ。」

ばっさり。

「民主党は官僚を使いこなせなかった」
「民主党はウソつきではなく、たんなる勉強不足」

これまたばっさり。

「ぼくはほんとうに寂しいよ・・・」

著者が規制撤廃をすすめ、上司である局長に言われた一言。
天下り先を守るのが官僚のつとめなのに、担当課長である著者が積極的に規制を撤廃したから。

「「不夜城」と呼ばれるほんとうの理由」
「労働時間は官僚を評価する際の基準軸。たとえ何も仕事をしていなくてもしているふりをして、役所に長い時間いたほうが得なのだ」

ははー。今時考えられない。

「現在の日本の財政状況は、民間でいえば民事再生や会社更生の申し立てを検討する段階」
「そんな状況に陥ったとき、民間企業が真っ先にすることは経営陣の即刻退陣。社員に対しても、クビ切りといっても過言ではないかたち人員を減らして人件費を削る。~値上げというかたちで消費者に赤字ぶんを転嫁することなど、よほど景気がよくないかぎりできない。赤字だから値上げします、では、消費者から総スカンを食ってしまう」

今政治家と官僚がおこなっていること。
国が苦しい、政治家と官僚は守らなきゃいけないから、消費税上げるね。
国民みんなで支えてね。
ろくな考えじゃない。

「国民のために働かざるをえない構造をつくれ」

そのとおり。
公務員だって人間なんだから、自分に得しないことは頑張るわけない。
ある日急に、あなたは公務員なんだから給料減らすけど国民のために頑張りなさい、とかっていわれても頑張る人はいない。
頑張れば報われる制度を作らないと。
頑張るベクトルは「国民のためになるか否か」。
断じて省益なんかではない。
天下り先を作ることが仕事ではない。

「ごく近いうちに爆発する途上国の食料需要拡大により食料価格が大幅に上昇するとの見通しに立てば、日本農業の将来はますます明るくなる。」

??
こっちの本によれば、過剰生産により値段はあがらないという主張。
色んな視点を持つことで、鵜呑みにしないですむようになる。


官僚がダメだ、政治家がダメだ、っていう世間の風潮をただ聞くだけじゃなく、実際にクビになるくらいの官僚が書いたこの本を読んでみよう。
官僚がどこを向いているのか、なぜ向いてしまうのか、じゃあどうしたらベクトルが正しく戻るのか、分かるはず。

おすすめ!


官僚の責任 (PHP新書)/古賀 茂明

¥756
Amazon.co.jp

「作りすぎ」が日本の農業をダメにする/川島 博之

¥1,575
Amazon.co.jp

第一章 食料危機は訪れない
第二章 食料は過剰生産されている
第三章 過剰生産が農業問題を引き起こす
第四章 地方を重要視した日本の農業
第五章 競争力がない日本の農業
第六章 これからの日本農業を考える

「長い年月にわたり、穀物の単収がほとんど増えなかったことは、人類の潜在意識に深く刻まれることになりました。その潜在意識とは、領土に強いこだわりを持つことです。」

現代の農業の実態を把握するための前提として、歴史的な人類の潜在意識を述べています。
単収が増えないということは、増産するためには面積を広げなければいけないということ。
面積が限られている以上、それは奪い合いを意味し、人口を維持するためには領土を維持する必要がある。

「1950年頃から単収が急増」
「穀物単収は人類が農耕を始めてからずっと1トン/ha程度でした。~中略~。その単収が1950年頃ごろに1.5トン/haであったものが、21世紀には8トン/haになったのです。たった50年間で6倍になりました」

これは、科学技術の発達により、窒素を供給することが可能になったから。
人口の増加ペースを圧倒的に上回るペースで単収があがることにより、穀物が余ることになります。

「ハーバー・ボッシュ法」

空中窒素を固定することにより、アンモニアを作り、それを酸化させて硝酸とし、それから硝酸カリウム(硝石)を製造する方法のことらしい。
そもそも窒素肥料は硝石をもとに作られていたが、この方法によりエネルギーさえあればいくらでも窒素を作ることが可能になったとのこと。
ちなみに、ハーバーとボッシュの二人の科学者はノーベル化学賞を受賞している。

「牛肉の飼料は10kg、鶏肉の飼料は2kg」

食肉需要が増えると飼料需要が爆発的に増加して、世界が食料不足に陥るという主張があるが、データからみるとそれほどの飼料需要は増加していない。
その理由は、牛肉の消費がそれほど増えなかったから。
必要な飼料の違いは、前に書評を記載した書籍にも記載があります。

「小麦は多くの水を必要としない」
「水不足により食料が生産できなくなるとした話は、水田を見慣れた日本人が抱きやすい杞憂」

コメを栽培するには多くの水が必要だが、小麦は雨水を利用して栽培し、灌漑は必要ない。
世界の穀物需要の多くは小麦、トウモロコシであり、その双方はそれほどの水を必要としていない。

「1972年のインドの合計特殊出生率は5.35。2006年には2.80」
「インドネシアも1969年の合計特殊出生率は5.61。2006年には2.59」
「タイにおける低下はもっとドラマチックです。1969年には6.11だった出生率が、2005年には1.89」

著者は人口爆発が起きないと主張しており、その根拠数字があがっています。
マスコミが「人口爆発で食料が危ない」等の主張をして、それに流されがちですが、具体的なデータを押さえておくと落ち着いた反応ができるのかもしれません。

「GDPの伸びからすると食料価格は安い」
「1日に必要なカロリーは小麦30円分」

食料価格の安さをデータから示しています。
冷静な議論のために客観的なデータを押さえるのは必須ですね。

「全人口に占める農民の割合は世界でも1~3%程度」

日本の農民人口割合が3%程度であるのに対しアメリカやイギリスは1%程度、フランスも2%程度。
農業の担い手不足の議論は、的外れかもしれません。

「食料の貿易は余った食料の押し付け合い」

TPPなどの貿易交渉において農業が問題になる理由は、食料が過剰生産になっているということを前提にするとすっきりと理解できる。
足りない国は基本的にないから問題だということのよう。

「食料不足と栄養不足は違う」
「国連の下部機関であるFAOが世界には10億人の栄養不足人口がいると言っている」

食料が過剰生産で余っていると聞くと、世界には食料不足で苦しんでいる人々がいるではないかという主張が出てきます。
著者はこれに対しても反論を示しています。
十分な食料をとれない地域は南アジア及びサハラ以南のアフリカであるとされるが、双方はともに人口の急増地帯である。食料不足では人口は増えないはずでないか、と。

「同情するなら小麦を買え」

貧しいという国に食料を送って、送った側は満足したとしても、もらった側は食料は持っている。
むしろ食料価格が安いから苦しんでいるのだから、食料を買ってもらいたいと思っている。

「日本では、配給システムが機能したために、政治家、高級官僚、ジャーナリスト、大学教授などといった社会的に影響力のある人々を多く輩出している中流層も、貧しい人々ともに飢えていました」
「インドでは食料危機は度々発生していますが、インドの知識人は食料危機をそれほど心配していません。それは食料危機になっても、知識人が飢えることがないからでしょう。多くの途上国では、食料危機は貧しい人々の問題です。世界でほとんど話題にならない食料危機が、日本で大きな話題になることは、このような事情も関係していると思っています。」

「穀物の栽培面積は中国が8900万ha、米国が5800万ha、フランスが900万ha、日本が200万ha」
「農民一人当たりの穀物生産量を計算すると、米国が78.1トン、フランスが52.8トン、日本が4.0トン、中国が0.6トン」

日本の穀物生産が米国、フランスにかなわない理由が数字としてあらわれています。

「日本農業は「省力化」を目指せ」

日本農業の発展のためには省力化が必要であり、農民人口は一層減少せざるを得ない。
農業人口の増加と農業の発展は相反しているんですね。


ちょっと長々と書きすぎました。
まだまだピックアップしたい部分は多いのですが、このへんで。
興味がある方はぜひ手に取って読んでいただければと思います。

「食料危機!」のような記事が雑誌、新聞等でも横行していますが、食料は世界で余っているという真逆の視点を提供してくれる書籍です。

「作りすぎ」が日本の農業をダメにする/川島 博之

¥1,575
Amazon.co.jp