Kisya's notebook on the my hands. -4ページ目

Kisya's notebook on the my hands.

描いたり書いたり


放課後の始まる、午後4時前。
最後の時限が終わる、チャイムが鳴り響く。
バラバラにバイバイ。とか、じゃあね。とか。
中には、今日の部活の話をしている生徒もいる。

僕は、ホームルーム教室を後にして、 階段をゆっくり登った。
ひゅいっと風が抜ける。前髪を掠める。
屋根の無い渡り廊下を渡って、シルバーの重い戸を開いて入る。
風が、閉めようとした戸を、バン!と閉じて、その大きな音に、肩を震わせる。
ああもう、びっくりした。
まあ、それはともかくとして、そこから、しばらく進んでいった先に、その教室はあった。
風通しが無駄に良くて、夏はともかく、すっかり涼しくなった今では、むしろ寒いぐらい。

——化学教室——
そう書かれたプラカードが、上から見下ろしている。
逆に言えば、僕はそれを見上げる形になる。今更見上げないけど。
ガラガラ、と引き戸を開くと、後ろから風が吹き込む。
あっ、これはアレだ
。教室内が暖かいから、空気の密度の違いで、空気が移動するやつだ。
そんなことを考える以前に、僕に声が掛けられた。
「あ、加賀見君いらっしゃい。寒いからすぐに閉めてもらえる?」
「ああ、はい。」
戸を言われるままに閉じる。
まあ、閉じたくない理由は特に無いから、言われるままっていうのも語弊があるかな。
「…先生。他のみんなはまだですか?」
「そうね。あなたが最初じゃない?多分、もう少しすると…」

——ガラガラッ——
「失礼します!あ、加賀見君!早いね」
「そうかな。そうだね、多分」


この部活、理学部には、クラスメイトが数人所属している。
クラスだと、そんなに話さないけど、放課後の部活のこの時は、自分から話題を出せる。楽しい時間だった。
それと、本当は理学部じゃないらしいけど、また別に一人いた。
「住友君、今日遅いね」
「そうかな」
「そうだよ。いつも早いから…大体最初にいるでしょう?」

「…そうだね」
クラスメイトの女子、学級委員長でもある、木ノ瀬菜々穂と何気無く話していた。
すると先生が、話に入ってくる。
「確か、学校内で蛇見つけたとか言っていたみたいだけど」
「えっ、蛇?」
「そう。本人曰く、毒は無い種類らしいけど…」
「つまり、それって…」
いつもの彼なら、おそらく、蛇を——
「捕まえたら、ここに持ってくるでしょうね」
「…」
その時、引き戸が開く音が聞こえた。
「…おい住友。これどうしたらいい」
「そのまま持って、中へ」
「ふざけんなよ、まだ生きてるんだぞ?」
「あまり弱らせるな」
「何で俺が…」
そこには、背の高い男子と、それと並んでしまうと、小さく見えてしまうもう一人の男子が居た。とはいっても、僕はもっと小さいんだけど。
木ノ瀬さんは、小さい方の男子に聞いた。
「…住友君。捕まえたの?」
「…開く。」
「え?」
「コイツを開く。」

「…やっぱり?」
ああ、やっぱりだ。彼の頭には大体それしか無い。
生き物に興味がある、と言えば、まだ理解されるかもしれない。しかし、彼の場合は少し特殊だ。
彼は、生き物の身体の造り、及び骨格自体に興味がある。だから彼は、生き物を捕まえては、"開く"のだ。
つまり、それは"解剖"する、ということ——
「佐野、押さえろ、動かないように。あまり押し潰すなよ」
「それかなり高度な技術要らないか?というか噛まれるのは嫌だぞ、俺」
「チッ…なら仕方ない…」
先程から蛇と格闘している二人——捕まえ押さえているのは主に背が高い方なのだが——は、洗濯ネットらしき物に入った蛇を囲んで、何やら話している。
ちなみに、背が高い方が、隣のクラスの佐野定義。読み方はサノサダヨシだから注意。あと、理学部でもなんでもない。
背が低い方が、そう、彼が住友君。住友輝聡。こちらもなかなか難読でスミトモテルアキ、と読む。蛇足だけど、「輝聡」
っていう二文字は、どちらも「アキラ」と読めるので、「アキラアキラ」になるんじゃないかってことに気付いたことがある。
と、名前記憶スキルを頭の中で披露しながら、僕はボサッと突っ立っていた。

住友君は、持っていたカバンから、いつも持ち歩いている"白いケース"を取り出して、ケースのロックを外した。
中には、小振りのナイフやら、注射器やら。まるで医者の持ち物みたいだけど、その中から注射器を取り、また別に針を取り付ける。
洗濯ネットの中で蠢くそれに、慣れた手つきで針を刺した。
注射器の中身が空っぽになったかと思うと、しばらくして洗濯ネットの中は大人しくなった。
「最初からそれやれば良かっただろ。出し惜しみか」
「出来たら消費はしたくなかった。取り寄せるのが面倒だ」
僕は動かなくなった蛇を覗き込みながら、なんとなく話しかけた。
「…死んだ?」
「麻酔。」
「へえ…そうなんだ」

さて、そんなこんなで、今日も住友君の解
剖は始まる。
さっきの"白いケース"は、僕らは勝手に"解剖セット"とか呼んで、恐れ親しんでいる。ちなみに、勝手に触ると怒られる。
「骨が多いな、魚みたいだ」
「静かに。気が散る」
「あいあい、素人は口出すなーってか」
蛇をキレイに開きにしている様子を佐野君が物珍しそうに見ている。

「さて、皆さん。理学部の皆さん。集まった?集まったみたいね」
先生が、理学部の注目を集めた。
——尚、住友君は、全く反応していない。厳密には、彼は理学部に所属しているわけではないからだ。
「今回の活動内容は、ちゃんとあるので…そこ!実験器具で遊ばない!いつも言ってるでしょ?危ないから…え?生物部がフリーダム過ぎる?仕方無いでしょ幽霊部員だらけなんだから…」
「先生、話逸れてます」
先生は、あー、と一声、後に咳払いを添えて、話を続けた。
「今回は——」










さて、今日の理学部の活動は、下校時刻の到来
によって終了。みんなは帰り支度をしていた。もちろん、僕だって。
でも、生物部は、そうはいかない。本人が納得するまで、なかなか終わらない。
それだけに、彼の標本のクオリティは高いのだけど。
僕は、彼のすることには少し共感できた。僕も生物の授業は好きだし、どうなっているのか知りたい、という探求心は、とてもよくわかる。
僕だって、知りたい、近付きたい、みたいな、好きなものはあるんだ。
「みんな帰るけど…住友君は?まだ帰らないの?」
木ノ瀬さんが手に教室の鍵を持って聞いた。
「まだ掛かりそうだから放っておいてくれ」
「…わかった。じゃあ、鍵置いておくね」
木ノ瀬さんは、住友君の使っている机の端に鍵を置いた。
カシャリ、と寂しそうな音がした。
そして、木ノ瀬さんは教室を出て行った。
ああ、木ノ瀬さんは同じクラスに仲の良い友達がいたっけ、一緒に帰るのかな…あの美人な子と——
「…」
ふと気が付いた。
僕はなんだ
かんだ、残ってしまっていたのだ。
それも、あの住友君も。
佐野君は、生徒会の集まりがあるからと、早々に立ち去っていた。
暖房の切られた化学教室に、二人残ってしまったわけである。

「…住友君。見てても、良い?」
「…」
「あ、僕さ、医学系とか目指してて、選択も生物だし…その、そういうの、ちょっと興味あってさ、だから…」
自分でも何を言っているのかわからない。
でもこれだけは確実だ。僕は住友君の作った標本のファンだ。
ずっと、作る工程を見てみたかった。でも、なかなかじっくり見る時間も無かった。
しばらくしても、返事が無かったので、「あっ、邪魔だよね、ごめんね」と言って立ち去ろうとした時だった。
「…別に構わない。でも、もう終わる」
答えて、くれた…!
「ああ、そうなんだ。ちょっと残念だな」
僕は、ゆっくり微笑んだ、と思う。
接点はあるけど、しっかり話したことのない彼に、少しだけ、認めてもらえた気がした
から。


君に捧ぐ。拙い声で。









「…ハァッ!」
彼女はとても分かりやすく、それもわざとらしく、ため息を立てる。
腕と脚を組んで、ソファーにふんぞり返っては、蔑むような視線を投げ掛けてくる。
わざわざ用意したみたいな、感じの悪い態度だ。それが彼女の平常運航らしい。
「何ニヤニヤしてるんだよ。気持ち悪いヤツだな」
黒のロングコートの裾を気にしながら、眉を寄せる。
しかし、相変わらず、可愛い。
彼女はそもそも美人だった。
色素が薄く、生まれつきの茶髪で、スラッとした身体に高い背で…ちなみに彼女はハーフなのだが、そんなのお構い無しにこの美貌である。
しかし彼女は案外モテない。
こんな愛想の無い性格をしていることを考えれば、それもすぐに見当が付くだろう。

「いやあ、にしても…君の彼氏?あの子怖いね。何か色々仕掛けてたみたいだし?」
「彼氏?誰だソイツ」
「あらら、違った?まあいっか」
さて、彼女に
は熱烈なファンというのが存在する。
「クラウン=ジュルール…ねぇ」
相当なストーカー気質ということを除けば、ごく普通の人当たりの良い外国人留学生だ。いつもニコニコして、優等生を気取っている。
まあ、それに関しては、僕も人の事を言えない。現に今——
「クラウンがどうした?」
僕の独り言が聞こえたのか、彼女は目の色を変えて聞いてくる。
「いや、何も。」
いや、しかし彼は今どうしているかな。血眼になって彼女を探してるんじゃないかな。想像したら笑えてきた。
「フフフッおかしいや、ホント」
「私は気分が悪い。何でお前みたいな変なヤツの相手をしなきゃいけない?口を動かすのもめんどくさい」
「いや、だって」
君のお友達は、君に辿り着くための情報を遮断された状態なんだからさ、おかしいよね。君のお友達も十分——
「アハハハハハ!僕は今とても幸運だなあ!こんなにも可憐な君と、同じ空間に二人きりなんだもの!」
「めんどくさ。」

「あ、お腹空かない?クッキーあるよ」
「勝手にしろ」
「えへへ」
僕はクッキーを取りに行く辺りで、あっ、と思い出す。
「動いちゃ駄目だからね。逃げようとしたって、無駄だから、ね」
「うるさい」
「えへへ」
ずっと斜め後ろから見守るだけだった存在の僕が、今こうして彼女と言葉を交わしている——なんて幸せなんだろう。
この時間が、ずっとずっと、続くように、僕は彼女を離すわけにはいかないんだ…!
「飛弾さん。紅茶もいる?ミルクティーもあるけど」
「どうでもいい」
「わかった、じゃあレモンティー」
彼女のためだと思うと、何気無い作業さえも心弾む。
足取りも軽い。
「お待たせ。大人しくしてたね。ありがとう」
一貫して態度を変えない彼女に、僕はクッキーとレモンティーを差し出す。
彼女はそれに一瞥さえしたものの、全く手を付ける様子は無い。
「飛弾さん。やっぱり警戒してる?別に何も入ってないよ?普通の
原材料以外」
「別に何でもない。犯罪者まがいの出したものに手を付けたくないだけだ」
「あっそう。ヒドイや」
僕はただの同級生ってだけなのに。たった一度ちょっと狼藉を働いただけだってのに、犯罪者呼ばわりだなんて、ヒドイや。むしろご褒美なぐらい。
「…もう夜だね。親御さん心配するかな」
「両親なんて知らない」
「そっか。それじゃあ…今夜はずっと一緒に居れる?」
「それは嫌だ」
「えー」
まあでも、彼女が拒否しようと、関係無い。今だけは、彼女は僕だけのものなんだから。
きっと、もう少し日を重ねれば、僕が君の一番になる。
僕無しじゃ、生きられなくなるから…その時は——

——ガシャンッ——
——ドンドンドンッ——

あっ…。
僕は声にならない声を上げた。
表に出なくても状況はわかった。
「…レイ」
一声、それから、止めどなく、ドアを殴る音と共に、声が、声が、声が…!
「レイレイレイレ
イレイレイレイレイ…」
「…アイツだ。あの優等生が、探し着いたんだ…」
確かに、彼女の持ち物、服、全て、確認したはずなのに、どうしてだろう。
見落としがあったのかな。まさか、なんでそんなミスを——
「クラウン!」
嗚呼、嫌だ。彼女が気付いた。どうしよう。
僕と彼女の共同生活は、まだ始まってもいないのに。
扉を開けてしまったら、僕は一体どうなってしまうんだろう。
執着の強いアイツの事、僕は殺されでもするんじゃないかって。ああもう。怖いねホント。

「あ…あ…、アッハハハッハッ…アハ…!終わったなあ!どうせなら幸せなまま死にたかったなあ!」
僕はうわ言を溢すつもりでわざとらしく言ってのけた。
でもこれで終わりなんてやっぱり嫌——
「幸せなまま…死ぬ…ああ、そうだ。単純なことだったね。そうさ僕は…」
「何を言っているんだお前は…!」
扉の向こうが一瞬静まり返った。
どうやら、こっちの声は聞こえるらしい。

僕は余計に得意になって、言った。
「僕は、飛弾さんと一緒である限り、ずっと幸せだから…だから…僕は!飛弾さんと一緒に、幸せに死ぬんだ!」
「お前…レイに何をする気だ!開けろ!殺してやる!」
輪にかけて扉を殴る音は強くなる。
「悔しかったらその扉を破ってみろよ!無理なんだろう?お前のその痩せ腕なんかじゃ!」

——カチャッ——
なんだか聞き慣れない音がした。
——カリカリッ——
あれ、これって…
——パァンッ!——
「…拳銃。ああ、最悪だ」
銃声だった。次また玉を起こす音がする。
そうだった、彼は治安の悪いところ出身だったっけ、でもどうやって拳銃なんて持ち込んだんだろう。
「ねえ、この音じゃ目立たないかな。絶対目立つよ。お先真っ暗だね。優等生君」
それにしても、大変だ。早く心中しないと…
「飛弾さん。君のお友達は、どうやらご乱心らしいよ。逃げよう」
「触るな!離せ!」
「絶対に離さない

僕は彼女の手を取り、灯油のボトルを蹴飛ばし、必死にライターを探した。
「だから離せと言っているッ!」
「あだだっ!」
すっかり忘れていた。彼女は空手部だったんだ。自衛ぐらいなら出来る。
「飛弾さん…ヒドイや」
僕は何のために、ここまで…
「君がいるこの空間で、死にたかったのに!」
手の中には、やっと見つけたライターがあった。
きっと僕は今、酷い顔をしている。
べそをかいて、ぐしゃぐしゃになってる、正真正銘の弱虫、敗者、弱者の顔に——ライターの火を起こしながら、彼女に出会ってからのしばらくの事を想った。
彼女の姿を見るだけで、楽しそうな話し声を端から聞くだけで、大好きな数学の問題を、意気揚々と解いているのを見て……どの君も、美しい…!
「さよなら、飛弾さん。幸せだったよ。ありがとう」
「飛弾さん。飛騨レイさん。どうか幸せに生きて。めんどくさいなんて、言わないでね」
灯油に引火した火が、倒れた僕の方にも広
がる。

「レイ!やっと会えた!早くこっちへ来るんだ!」
「う、うん!」


普通の炎は赤くはない。
実際はオレンジ色をしている。
理学部でやった水素爆発の実験でも、水素は身をオレンジの炎で纏って爆ぜた。
太陽だって、オレンジ色のはずだ。
何で人は、炎を橙じゃなくて、赤だと言ったのだろう。
いや、赤という漢字自体、炎の形を模した、象形文字なのだっけ。

それにしても、おかしいな。
僕はなんでまだ死んでないんだろう。
生きてても、ご用になるだけだろうに。めんどくさいなあ。

「…誰?」
「少年よ。爪が甘かったようだねえ」
「だから、誰ですか」
「僕は、笹木黄紗良。通りすがりの探偵さ」
「…ああ、知りません」
「これ、名刺な。ホイホイ」
「えっと、どうも」
本当に、知らない人だ。
なんだろう、この人。
「さて、少年。君は軟禁未遂、及び、放火未遂をやらかした」

あれ、放火も未遂なんですか?」
「証拠は、潰した」
「…そうですか」
「君、なんかやべえ…とかいう目でお姉さんを見始めたね。そういうのは慣れてるからいいんだけどさ」
「でも、なんで僕なんか…」
「純情な少年の未来が奪われるかと思うと、居ても立ってもいられなくなってね。お姉さん奮闘しちゃったよ」
「へ、へえ」
状況を整理したいと思う。
場所は、簡素な一室のベッドの上。
笹木黄紗良とかいう、探偵さんが、僕を助けてくれたらしい。
それで、なんと余分に、僕がやらかした事案の状況証拠を、丁寧に潰してくれやがったらしい。
でも、疑問が一つ。
「笹木さん。なんで僕を助けることが出来たんですか?」
「…知りたい?」
「はい」
探偵さんは、ふふふと、勿体振って言った。
「企業秘密。」
それも、人差し指を口の前に立てながら。

「まあ、でも、証拠は全ては潰せないよ。人の記憶まで潰せる訳じゃないからね、
普通は」
やったこと無いけど、マインドコントロールなら出来るかもね。と、なかなか怖いことを言っている。
「少年。名前は?」
「…加賀見 仁」
「カガミヒトシ…か、成る程」
探偵さんは、懐から携帯を取り出して、少し操作をした後、カシャリと音を立てた。多分、写真を撮られた。
「ヒトシ君。こんなことがあったら、学校に行きづらいんじゃない?」
「そりゃあ…まあ」
「転科するっていう手もあると思うけど…転校した方が無難だね。それか、学校を辞めるか」
「それは…学校へ、あの学校へ行かないのは、嫌です。彼女の無い生活なんて、有り得ませんから…」
「ベタ惚れどころか、依存しちゃってるわけか」
「はい」
「そこは否定しないんだね」
「はい!」
探偵さんは、少し困ったように眉間に手を当てる。
ちょっとタンマ、とでも言うみたいに。
「じゃあ、出来たら転科もしたくない?」
「そうですね」
「それじゃあ
…頑張って気配を消そうね。あの外人留学生に見つかったら殺されちゃうもんね!」
「そ、そうですね…」
この探偵さんは、本当はとんでもない人じゃないのだろうか。
実は犯罪組織に所属していて、僕が犯した罪を口述に、引き入れようとしているんじゃないだろうか。
そうなったら、僕はどれだけ人道を踏み外していくんだろう…麻薬売買に内臓密輸、人身売買に違法武器…想像しただけで恐ろしい…!
「ヒトシ君、僕はちゃんとした普通の探偵さんだからね?犯罪スレスレぐらいのことはやったけど、法は破ってないからね?」
「あっ、心理学ロール成功しましたか?ヒドイ」
「メタ発言はやめなさい。ヒドシ君って呼ぶぞ」
「ごめんなさい」

探偵さんは、窓に掛かった白いカーテンを少し開けて外を見た。
「さて、ヒトシ君。もうそろそろ、日が昇るみたいだよ。今日は幸運にも、土曜日だから、もうしばらく寝てもいいんだよ?どうする」
「あんまり眠気がしませんね…生きた心地もしませ
ん」
そっか、と一言だけ言うと、探偵さんは携帯を手に持って、少し操作して、耳に当てた。
電話を誰かに掛けたらしい。
「笹木黄紗良、業務連絡です。今日は休みます。理由としては、連日の捜査疲れによる体調不良。調査結果は後日纏めて提出致しますので……」
さっきまでのおちゃらけた雰囲気は一変、まるで真面目にきちんと仕事をこなす、事務員のような口調だった。
しばらくすると、携帯を耳から離した。
ふう、と一息付くと、またどこかに電話を掛けた。
「…あ、ママ?元気?あのね、男子高校生保護したんだけど、僕どう扱ったらいいかわからないからさ、ちょっと後で連れていくよ。はいはい」
凄い。僕は感嘆した。
公と私を完全に分けている。
ぼんやりしてしまうぐらいに驚いた。
「さあ、ヒトシ君。眠らないのなら、少し出掛けようか。大丈夫、そんなに遠くない」

なんだか、よくわからないけど、この人は、面白そうな人だ。
しばらく付いていくのも、悪く
ないかも…なんて。


 


「あなたは死ぬ。今にも」

知らない悪魔より、知る悪魔。
よく知っている少女の、よく知らない一場面——彼女は、まだいたいけな少女。僕のよく知るはずの、真っ直ぐな瞳は、今は突き刺さるよう——

僕は、自分の胸ぐらを掴んだ。「あッ、うッ!」
ねえシアン。青いシアン。
君の瞳は、一体何を見ているの?

マゼンタ、イエロー、そしてシアン。三原色を少量。
僕は、シアンが一番好きだったなあ——

「ごめんなさい」
少女は泣いた。僕も泣いた。
苦しかった。急性毒にやられたみたいに。
この紅茶を飲まなければ、僕は彼女と——
「ねえ…シ…アン…幸せ…だっ…た?」
僕と過ごして、良かった?
答えが聞こえなくても、いい。声が届かなくても、いい。

「感情的になるなって、言われたんです。所詮、真の人間じゃないから、感情は不必要だって。感情があるのは変だって。でも私は、幸せでした。最高でした」


僕はしばらく
して意識を手放した。










シアン化カリウム——所謂、青酸カリのことである。結晶は白く、針状。もちろん猛毒。
シアンと初め聞いたとき、私は三原色の青い色、シアンを思い浮かべた。しかし、いざ辞書で引いてみると、思っていたのと違うものが出てきたわけである。シアン——炭素と窒素の化合物であり、無色透明、特有の臭気のある有毒な気体である。

嗚呼シアン、愛しいシアン。
私はいつか君を迎えに行きたい。
一体いくらの時と労を積めばよいのだろうか。










眠い。ハロウィンなんて知らない。出ライティングと共に御久々。
得意教科は化学のKisyaです。
ハロウィン終わりました。

最近チョコレートがおいしい…というか絶賛食欲の秋ウィークです。何かおいしいもの食べたい。
いやしかし、ここ二日ぐらいでしょうか、一ッ気に寒くなりましたね。凍え死ぬかと思いました。

凍え死ぬ 秋の夜冷えに 肌騒ぐ

どう
でもいいけどかぼちゃ食べたい。




以上
「よくやったね!みんなと同じぐらいできてるよ!」
「平均の半分を下回るとは…、最後の日に休んだのは何だ?どうせサボりか何かなんだろう?自業自得だ」
「平均以下だね。まあドンマイドンマイ。」
「平均程度しか出来ていないのは何故なの?平均を上回ってこその君だっていうのに」
「平均以下か、下手すると駄目になってたぞ。というか、ハッキリ言って関心無いだろ。眠そうだったぞ」

打開案は、手のひらの中に、確かにあるのに、否。

彼等は、私に力を授ける者達——天性の怠惰を受けた私に、未来を授ける者達


武器や防具は、装備しなければ効果が無い。

守るため、切り開くため、英知を持て。




未来は、希望に満ちている。
未知に、好奇心に満ちた瞳をそそぐ。
未来は、これから成り行くこのテクノロジー社会は、果たして、明るいものなのか。

私は、薄怖さを感じている。
ありとあらゆる作業が、雑務が、仕事が、どんどん機械に置き換わっていくとしたら、その度に人の手が関わる部分が減っていく。
いつかは、機械の、コンピューターの知能が、人間を凌ぐ程になるという。
嗚呼、怖い。怖くて堪らない。
良い機械は、人間の言うことをよく聞くものだが、命令は絶対のものだが、何らかの理由でそれが閉ざされてしまったら?
いつかのその時に、人とコンピューター知性の立場が逆転してしまうとすれば…!
あらゆるものが、ワイアレスに繋がれた機械に置き換わった世界では、彼らの手は簡単に伸びるのだろう。

考えれば、考えるほどに、不安は募り、それと共に、好奇心も募る、思考の夜。




出ライティング、御久々。
どうもKisyaです。

にとって、怖いに通じるものを少し考えてみると、どうやら、自分達の手の及ばない、もしくは、予測・想定のできないものが怖い、と感じているみたいです。
まあでも、その感覚は、おそらく多くの人にもある感覚かと思います。多分。
ただ、やっぱり人の興味を引くものは、少しそういう要素を含んでいたりはするでしょう。

少し話は変わりますが、少しの怖さを添加すると、不思議と華のある見映えになると私は思っているんですが、どうでしょうか。
アニメ・マンガのような、大きい目が現実世界にあるとしましょう。
ホラーですよね。不気味の谷ってやつですかね。リアルなタッチで目の比率だけそれに寄せると凄く気持ち悪くなります。
目がぱっちりしている方が可愛い、ということの誇張なのでしょうが、リアルでも適度に目が大きいと、綺麗に見えるはず。(糸目でも綺麗な人はいるでしょうが、目による印象は絶大で、目周りのメイクの印象の変化は整形並みだとかなんとか。)

書いてるうちに考えていること
が(私の中で)変わってきてしまいましたが、つらつら書き続けてても無駄に文章が長くなるだけなので、あと少し。

顔の印象の中で、目の存在感はデカいから、キャラの描き分けは主に目を分けてやると簡単だよ!(とかいう何処にでもありそうな情報をそっと置いて立ち去る。)



以上
あー、テストが近い、時間を止めたい、どうか自由時間よーいかないでー、あー。

さぁて、どうも。Kisyaです。
漫研部誌用にらしくもなく期限の一ヶ月以上前からイラスト描いてます。テスト勉強?あー、聞こえない、あー。


私が描くキャラクターはあまり元気そうじゃないのが多いので、キャピキャピとした溌剌なキャラを描くべきだとか言われましたが、そこらへんはルナ魔で描いてる気がします。気のせいかな。
思い返せば、どうにもアンニュイというか、機嫌が悪そうというか。明るい表情をそんなに描いていない気がします。
ぼんやりしてたり、しかめっ面だったり、純粋に笑ってなかったり。笑ってても眉が下がり気味なのが多いです。困って(もしくは照れて)笑ってる、みたいな。
自分があまり積極的でないからでしょうかね。絵は描き手の人柄や雰囲気の影響をかなり受けるようですが。


ところで、最近ピグブレイブにハマっています。今はハロウィンイベントやってますね。

んだろう、私はRPGが好きなのか、それか、キャラクターが好きなのか…キャラクターを仲間に出来るようになってからピグブレイブが一変しましたが、キャラクターの立ち絵とか眺めるの好きです。後者かな?





書くネタが無くなってきたので以上で。
そういえば出ライティングやってないな、まあいいけど。

どうでもいいこと言います。
Fit's二箱が買って二日目にして無くなりました。寂しや寂し。
勉強のお供におやつを買うのは良くないよ!先におやつ食べちゃうから!(尚、Fit'sはガム)

というわけで氷を貪る私は氷食症であります。


さて、どうも、今さら挨拶をしておくKisyaです。
氷食べた後って味がよくわからなくなるし、舌がうまく回らなくなるので滑舌が悪化します。いつも以上に。

いやしかし、最近母が買ってきたインスタントココアでホットココア作るんですけど、寒くなってくるとなかなか良いのです。ココア好きです。温かい方が。カフェオレも好きです。砂糖は入れます。小さじ3ぐらい。


ところで、もうじきハロウィンですね…!
ショッピングセンターやらスーパーやらの内装がオレンジで彩られます…ワクワクしますね…!
ハロウィンの可愛らしくも少しダークな雰囲気好きです…イラストの話ですからね?
都会の方だと、街に人がわんさか…らし
いですが、そういうのはちょっと気が引けます。田舎最高。

今年のハロウィンイラストは何にしようかな~なんて考えます。(最近帰りが遅くなってるのでやる暇が無い気もします。少なくともパソコンで作業する時間はとても削られています。)
いやはや、この時期は浮かれて仕方がない…、ああでも、漫研のイラストもやんなきゃ…また部誌に自分の絵が載らない事態になっちゃう…(漫研デジタル勢)



勉強も本当は頑張らなくてはいけません。下手をすれば進級も危うい、です。






以上
氷水が身に染みる。

鼓動が、身体を揺するように、その動きがはっきり感じられるほどに、強く、打つ。

ドクン、ドクン

部屋に、一人。
寂しい。虚しい。空腹。
料理を作る脳も無く、波立つ鼓動を黙って聞いていた。
だんだん息も苦しくなってきた。
突然立ち上がるも、眩む。
持ち前の低血圧か、なんなのか。
いつもよくあるように、周囲が青くなって、いつしか視界が奪われる…それまで極一瞬のことだった。








とまぁ、出ライティングが恒例化してきてますがどうもこんばんは、Kisyaです。
なんか心臓がバクバクしてます。病院で処方された血圧上げる薬のせいですかね。眠れないんですが。


さて、本日9月15日は十五夜及び、ぐみさんの小説の主人公のルナちゃんのお誕生日です。(今は深夜だから日付変わってるとかそういうことは気にしたら負け)
イラスト描こうとしてたんですけど、結局間に合ってないです。安定の計画性の無さ。

フは描いたので、完成したら上げます。本当ですよ、信じてください。(フラグ)

ふと思えばルナ魔と出会って4年目ぐらいでしょうか、案外あっという間でした。
最初の頃よりは、絵も上手くなったと思うし、デジタルで絵を仕上げるのもかなり慣れてきました。
最初は線画はペンでなぞったものを、スキャナーで取り込んで、それにそのまま色塗ってたことを思うと、下書きから線画色塗りまでパソコンで行うようになったのは進歩していると思って良いのでしょうかね。
最近イラストの依頼が無くてちょっと寂しいです。女の子描きたい。
こんな私ですが、またご依頼してくださると喜んでやります。(とはいえ相変わらず遅筆だと思います←)

最後に、ルナちゃんお誕生日おめでとう。
あの小説の中ではあなたが一番のお気に入りです。
Kisyaより愛を込めて。





以上。
現実を直視すると目が焼けます。