朝、マミは信長にぎゅっと抱きしめられて目が覚めた。
えっ、信長様?
ゆっくりと昨夜のことが脳裏に浮かんできた。
そうだ、私、信長様に抱かれたんだ。
どうしよう、気持ち良すぎて乱れてしまった。
戦国時代の武将と身体を重ねてしまった。
だって、織田信長の歴史の中に私はいないんだもん。
夢かな。
自分の頬をつねってみる。
痛い。
夢じゃない。
マミは信長の腕から抜け出し慌てて逃げ出した。
天守閣を出て自分の部屋に戻ろうとした時、後ろから声をかけられた。
「マミ、こんなに早くどうしたのだ」
恐る恐る振り向くと、そこには秀吉が立っていた。
「おい、その格好はどうしたのだ」
えっ?
秀吉に言われて、マミは自分の姿をまじまじと見た。
 
着物ははだけて、髪はグシャグチャで、明らかに情事の後を物語っていた。
「あの、これは……」
マミは慌てて自分の部屋に駆け込み、襖を閉めた。
「マミ、大丈夫なのか」
「大丈夫です」
秀吉はマミが天守閣の方から走ってきた状況で、朝まで信長と一緒だったと推測した。
そのすぐ後に秀吉は信長に呼ばれた。
「お館様、どうされたのでしょうか」
「マミは今、どこにおる」
「マミでしたら、自分の部屋におりますが……」
「そうか、それならよい、これから先、マミは外出禁止だ」
「かしこまりました」
秀吉は事情を把握した。
お館様の性格、無理矢理マミを連れ戻し、抱いたのだろう。
そして、独占欲をあらわに、外出禁止を命じた。
マミの合意の元かどうかが気になると秀吉は考えていた。
 

 

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