マミは戦国武将が大好きなOL。
織田信長、徳川家康、明智光秀、豊臣秀吉、伊達政宗
そして一番好きなのは武田信玄。
もし、戦国時代に行けたなら、絶対に武田信玄に会いたいと思っていた。
行けるわけないけど……
マミはいつものようにベッドで眠りについた。
朝、目が覚めると、知らない場所だった。
ここはどこ?
あたり一面草むらで、すっごい田舎って感じ。
しかも、誰一人通っていない、いや、道がないと言った方が正解のような場所。
遠くから何か音が聞こえる、あれは馬のひづめの音。
嘘、ここは競馬場?
違う、あっという間にその馬は私に近づいた。
そして私の側まで近寄って止まった。
馬に跨ってるのは甲冑に身を固めた侍。
えっ、嘘だよね、私、どうしちゃったの?
 
私が狼狽えていると、その侍は私に話しかけてきた。
「お主、こんなところで何をしておる」
何って、まずここはどこ?
と、その時、矢が私の頬を掠めた。
痛い。
その侍は私を軽々と持ち上げ、馬に跨らせた。
「しっかり捕まっていろ」
馬は風をきって走り出した。
城の門をくぐり、城内に入ると「お館様ご無事で」そう言って、多数の侍が周りを囲った。
「こやつの傷の手当てをしろ」
私は馬から下ろされて、城の中へと連れて行かれた。
かすり傷だったため、後は残らないようだ。
バンドエイド貼っておけばいいのに、ここにはないの?
私はお風呂に連れて行かれた。
「湯殿に浸かって身体を温めてください」
着替えは着物が用意されていた。
「お館様がお待ちです、こちらへ」
一歩踏み出すと、着物の裾につまづいて倒れそうになった。
 
「きゃっ」
そんな私を支えてくれた男性がいた。
「大丈夫か」
めっちゃイケメン。
「ありがとうございます」
私はこれ邪魔と思い、羽織らされた着物を脱いで、裾を持ち上げた。
「姫様、おみ足が、はしたないことはおやめください」
「だって、邪魔なんです、それに私は姫ではありません」
そのイケメンは大きな声で笑い出した。
「そんなに笑わなくて、失礼ですよ」
「悪い、悪い、お前、名はなんと申す」
「私はマミです、あなたは?」
「豊臣秀吉だ」
「豊臣秀吉?」
と言うことは、お館様と呼ばれているあの人はもしかして……
私はバタバタと走り出して、お館様の座敷の襖を開けた。
「傷は大したことなかったようだな」
「あなたはもしかして、織田信長」

 

via LOVE KAZU
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