11月1日発売ラヴ KISS MY初書籍化
いつも私の小説を読んで頂きありがとうございます。
「夜の帝王の一途な愛〜記憶が消えても何度でもお前を愛す」
2月28日電子書籍版が発売されて20日が経ちました。
既にお迎え頂いた方々ありがとうございます。
まだお手に取って頂けていない方々、よろしくお願いします。
今回試し読み第2弾をお送り致します。
💖試し読み💖
私は彼と初めて会った時から、彼なしでは生きていけないって思っていた。
唯一私がときめいた男性であり、キスも愛を確かめ合ったことも初めての相手である、そしてこの世に生まれてくる事が出来なかったが、私が初めて妊娠した経験をさせてくれたのも彼である。
その彼が今私を愛してくれている、でも彼と踏み出す勇気がない。
そう、彼は脳腫瘍を患い、生存率を上げるため手術を行なった。
しかし、後遺症で認知機能障害が起きたのである。
そう、彼は私との過去の記憶がない。
術後、目が覚めた彼は、私のことだけ覚えていなかった。
わかってはいたが、その時のショックは計り知れない。
目一杯の愛情を捧げてくれた彼が、目が覚めると冷たい眼差しで私を見つめる、誰?俺はあなたを知らないと言う表情で私を見る、冷ややかな瞳に見つめられるといたたまれない気持ちになる、気にせず、また、彼と初めから付き合えれば良いが私はそんなに強くない。
彼が愛してくれればくれる程、記憶を無くした時のギャップに耐えられないのである。
しかも一年前の別れは二回目、彼からの告白は奇跡だと思っている。
今回で三回目の彼からの告白、奇跡が起きるのは一回だけだろう、だから受け入れる勇気はない。
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「あゆみ、アパート解約しろ、一緒に暮らそう」
彼の言葉はすごく嬉しかった、でも彼の記憶が無い事を私は利用しているようで胸の奥が痛い。
だって一年前「俺と別れてくれ」と言われたのに記憶が無い彼は覚えていない。
当時の彼は彼なりに考えがあって私に別れを切り出したのだろう。
それなのにこのまま彼と一緒に暮らしていいのだろうか?
彼は私を抱きしめて唇を重ねた。
舌が絡み合う激しいキスを何度も、そしてそのままソファに押し倒された。
彼の手は私の胸の膨らみを鷲掴みにして、唇は首筋に押し当てられた。
何度も繰り返されて、私は感じて思わず声を上げた。
「凌、凌大好き」
「あゆみ、俺も大好きだよ、もう離さない」
彼の手が私の太腿から股にかけて滑り込んでいく上と下と両方から責められて平常心じゃいられない、私は淫らな言葉を言っていた。
「あゆみ」
彼は思った、「あゆみが求めているのは俺じゃない元旦那を思いながら俺に抱かれている」と……
それでもいいと彼は思った、「今、俺の腕の中で満足しているのなら、心の中で他の男を思っていても」と……