11月1日発売ラヴ KISS MY初書籍化

俺は凛の行方を必死に探した。

スマホも繋がらない。

その傍ら、凛が社長の立場の男性を避ける理由を調べてた。

 

過去に社長の立場の男性との結婚を反対されて、凛が身を引いた事があったとわかった。

 

また同じ思いはしたく無いと凛は頑なに心を閉ざしたんだろう。

 

そんな時事件は起きた。

百合絵は探偵を使い凛の行方を突き止めていた。

 

「凛さん、どうして私と廉さんの邪魔をするんですか」

 

「邪魔なんかしていません、私はもう廉と別れました」

 

「じゃあ、どうして廉さんは私と結婚してくれないの、あなたがいつまでも廉さんを惑わしているからでしょ?」

 

百合絵は平常心を保って居られなかった。

憎しみが殺意に変わり、凛さえいなければとそれしか考えが及ばなかった。

 

次の瞬間百合絵は凛を持参したナイフで刺した。

 

「あなたさえいなければ・・・」

 

百合絵はその場を逃げ出した。

 

「廉、助けて」

 

凛はスマホで俺に助けを求めた。

凛が見つからず、途方にくれていると、スマホが鳴った。

凛からだった。

 

「凛、何処にいるんだ」

 

「廉、助けて」

 

消えるようなか細い声で助けを求めていた。

 

「凛、どうした、今何処だ」

 

俺は凛の途切れ途切れの声を頼りに凛のいる場所へたどり着いた。

その場の悲惨な状況に驚きを隠せなかった。

すぐ救急車を呼び凛を病院ヘ運んだ。