YAPP機能を使って4800baudでファイル転送を行う場合に、転送するファイルサイズの上限の目安を求めたいと思います。
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https://www.soumu.go.jp/main_content/000235409.pdf
P131
第3章 無線設備の技術的条件
(7) 送信時間制限装置 (設備第五十四条第二号、設備・告示平 20 第四百六十七号) 連続して 5 分を超える電波の発射をしようとした場合に、自動的にその送信を停止し、その 停止から 1 分以上経過した後でなければ送信を行わない送信時間制限装置を備え付けているこ と。
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の様な規格があることを鑑みる必要があります。
【測定条件】
・変調方式と変調速度
QPSK AX.25 4800bd 副搬送波:1800Hz + -1200Hz
DW 8PSK 4800bd 副搬送波:1800Hz + - 800Hz
・測定に使用する構成
https://ameblo.jp/kissam59/entry-12591045904.html
を参照願います。
Port=8000 TCP port used for the AGW server
Port=8100 TCP port used for the KISS serve
です。
EsprimoのSP Outの抵抗@NULLデジ簡は、1.8kΩから10Ωにそれぞれのチャネルで変更してあります。
NULLデジ簡の回路図に向かって左側が、クライアント(AGWTERMINAL)であり、向かって右側がサーバー(EasyTerm)となっています。
送信系統図を考えるとの向きの方が自然です。
それから、AGWTERMINALのUIは、優れものですね。
・測定に使用するファイル
\agwpe のフォルダー下にある各ローカライズ用?の圧縮ファイル(ZIP)
例:brazil.zipの場合は、51KBです。
・その他付帯事項
実際は、デジ簡間の通信条件(オーバーヘッド)が加味されるべきですが、4800bdで5分間連続に送信できる理想形で先ず考えることにします。
【測定結果】
Under construction
[QPSK AX.25 4800bd]
Filename :RUSSIAN.zip
Speed :247 cps
Bytes Transfered :70154 Bytes of 70154 Bytes
Total Yapp Time :00:04:44
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Filename :italian.zip
Speed :241 cps
Bytes Transfered :59059 Bytes of 59059 Bytes
Total Yapp Time :00:04:05
以上から60KB程度が上限かと思います。
[DW 8PSK 4800bd]
Filename :RUSSIAN.zip
Speed :87 cps
Bytes Transfered :70154 Bytes of 70154 Bytes
Total Yapp Time :00:13:25
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Filename :French3.zip
Speed :77 cps
Bytes Transfered :28123 Bytes of 28123 Bytes
Total Yapp Time :00:06:02
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Filename :French.zip
Speed :85 cps
Bytes Transfered :20535 Bytes of 20535 Bytes
Total Yapp Time :00:04:00
以上から20KB程度が上限かと思います。
【考察】
変調方式にも一長一短があるかと思いますが、QPSK AX.25 4800bd は、DW 8PSK 4800bd の約3倍の転送速度があります。これには幾つかの理由があるかと思います。
・DW 8PSK 4800bdの方が狭帯域であり、その分8相のPSKになっています。それだけ処理が複雑になっているために、設計値としての性能を引き出すためには、なんらかの条件を整える必要があるのでしょう。それが何なのかは、もう少しその中身について知る必要がありそうです。※
例:符号誤り率 : BER(Bit Error Rate)とか。
【結論】
QPSK AX.25 4800bd 副搬送波:1800Hz + -1200Hz を採用することで話を先に進めます。
【参考】
YAPPの場合、ファイル送信中に転送が中断されても接続し直して再送すれば、前回転送が中断された部分から継続して転送が開始される様です。
【参照記事】
https://www.qsl.net/nf4rc/EasyTermTutorial.pdf
https://ameblo.jp/kissam59/entry-12590270027.html
※
BPSKやQPSKに比べ位相の変化が小さいため、隣接する位相と取り違えて誤ったデータを受信するエラーも起きやすい。この弱点を補うため、畳み込み符号の一種であるトレリス符号を併用したTC8PSK(Trellis Coded 8PSK)がデジタル放送などで採用されている。