本日も以下マインドフルネスのワークブックにて学習していきます。
これまでは自分自身へのマインドフルネスを学習してきました。
すなわち、自分の中に生まれてくる思考や感情、身体感覚について、「評価することなく、共にあること」を学んできました。
本日は、人間関係へこれを応用しようというお話です。
人間関係へのマインドフルネス
人間は、他者なしには生きられない極めて社会的な動物です。
それ故に、誰もが良くも悪くも「他者との交流」に多くの時間やエネルギーを費やしています。
その経験に違いはあれど、喜びも悲しみも、快も不快も、幸せも不幸も、誰もが同じような体験をしているはずです。
にも関わらず、互いの存在が「ストレスの源」となってしまうことがあります。
他者との交流の中でストレスの元となる原因としては、例えばこのようなものがあります。
些細なことに大げさになって、過剰反応してしまう。
否定的な思考や感情を拡大しやすく、悪い方に取ってしまう
人を非難してしまう
これらのストレス反応を維持しようとする思考パターンは、幼少期に両親などと、どのように関わってきたかが密接に関係しているのです。
単純に言ってしまえば、育った家庭環境が不健全であれば、その思考パターンも不健全になる可能性が高いということです。
具体例を見ていきます。
■ 両親が「対立を上手に解決する手本を示してこなかった」場合
・他者との対立が発生すると、不快な感情にならないよう、守りに入る。
・自分の言い分より相手の要求を優先させる
・ノーと言えず、打ちのめされたり、疲れ切ってしまう
■ 両親が「常に誰かと対立していた」場合
・対立することでしか、人と感情的に関われない、または優越感が得られない
・攻撃的なので、相手の心を傷つけたり、弱みにつけ込む、いじめる、恥をかかせようとする。
その結果相手も同じような反応となり、対立が深まる悪循環へと陥る
■ 両親が「自分たちの生活でいっぱいいっぱいだったり、夫婦仲が良くなかった」場合
・最も近くにいるはずの両親に依存できず、「他の人は頼れない」という思考パターンが形成される
・このため、感情や対人関係を軽視する傾向になる
■ 両親が「自分に対して同調や共鳴をしてこなかった」場合
・他者に対して懐疑的になったり、常に困惑している
・ごく近くにいる人たちが、自分の気持ちに応えてくれないのでないかと心配してしまう
・人と親密に関わることをためらってしまう
■ 両親から「抑圧的、威圧的な態度をとられたり、虐待を受けた」場合
・人間不信に陥ったり、他人に対して恐怖を感じるようになる
・人から優しくされたいと思う反面、人を避けようとする
・厄介な対人関係に発展することを恐れて、自分を犠牲にして人の世話をしようとする
このような「対人関係パターンの出発点」は、以下のような精神分析の世界での確固たる裏付ける理論や研究に基づいているそうです。
■ 両親が子どもの感情や要求に瞬間瞬間で同調することができれば、子どもは安全、つながり、愛情を感じる可能性が高い。
―― 精神分析医 ジョン・ボウルビィ
■ 2歳までに配慮が行き届かない育児を受けると、感情を制御する子どもの能力に悪影響を与え、その不健全な状態が一生続く可能性がある
―― 心理学者・神経科学者 アラン・ショー
■ 親と子どもが同調すると、共鳴状態になり、子どもは「理解してもらっている」という感覚を持てるようになる。この共鳴状態は、子どもの脳に調節回路※が形成されるのを助ける
―― UCLA 医科大学精神科臨床教授 ダニエル・シーゲル
※調節回路とは、友好な人間関係を形成するのに必要な能力やレジリエンスなどのことです。
では、両親から不健全な育児をされて育った大人たちは、人間関係に支障をきたすようなマインドセットを持ったまま生きていくしかないのでしょうか。
本著ではこのように言っています。
自分の両親との関係性は、自分の子どもとの関係性を高い精度で予測できる
→ つまり、自分が子供の頃に親にされたことと同じようなことを、子どもにもやってしまう可能性が高いということですね。
しかし、子供時代に不安定な愛着を経験したとしても、大人になってから対人関係パターンを変えることができるのです。
大人になってもまだ巻き返しは可能、ということです。
逆に言えば、このことを意識して変えようとしない限り、両親から受けた影響は抜けないということでしょう。
そんな困難な状況の中でも、マインドフルネスは人間関係を劇的に改善させる可能性があるということです。
明日はこちらを具体的に見ていきます。
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