そのとき、隊員たちは色めきたった。

 「木祖村のちから水が水場として整備されたらしいですよ」

 「えーっ?」

 昨年、名水探検隊がおいしい水3選に選んだあの「ちから水」が水場になったというのだ。

 我々が訪問した際は、味噌川ダム側道のコンクリート擁壁から水抜きパイプで流れ出るだけのものだった。

$木曽路名水探検隊のブログ-ちから水

 【過去ログ】 水木沢から奥木曽湖へ「ちから水」って何だ?

 その後、ちから水を有名にしたい一心で飲み会で話題にするも、薮原在住の方でさえその存在を知らない。

 また、「信州の秘水・名水」に推薦してみたのだが、ただの水抜きパイプでは、竹槍を持ってB29を撃ち落しに行くようなものだった。

 そのちから水が水場になった!?

 我々名水探検隊は、8月の猛暑の中、味噌川ダムに向かった。

 ちから水は、味噌川ダム左岸(下流から見ると右側)の側道をふれあい館から上ったところにある。

 残念ながら、道路工事中であり、現在、ふれあい館からは上れない。

 味噌川ダム右岸(下流から見ると左側)から上流の橋を迂回してちから水を目指す。

 あった。これが現在のちから水だ。

木曽路名水探検隊のブログ-ちから水斜め

 水抜きパイプは二股のグレーの塩ビ管となり、板で囲まれている。

木曽路名水探検隊のブログ-パイプ

 相変わらずの豊富な水量。

 常に溢れかえっている状態であり、この水舟ではちょっと小さいか。

木曽路名水探検隊のブログ-水舟近接

 看板もちゃんと付けられた。

 「力水」ではない、「ちから水」だ。

木曽路名水探検隊のブログ-看板

 味はほとんど無味無臭、冷たくておいしいのだが、備え付けの柄杓が雨ざらしであり、その味の方が勝ってしまう。

 柄杓を置くのであれば、屋根状のものが必要だろう。

 しまった、ペットボトルを忘れた(汗)

 振り返って奥木曽湖(味噌川ダム)を一望する。

木曽路名水探検隊のブログ-ちから自ら眺める奥木曽湖

 このちから水、味噌川ダムの建設作業員が、飲むと力が出る、ということで、ちから水と名付けられたそうだ。

 こんなでっかいダムを造ったとは、さぞや大変だったろうに。

 天気のいい日に誰もいないダムの側道で水を汲む。

 ちょっと贅沢な、あるいは浮世離れした気分にさせてくれる場所である。(momo)

(余談)

 帰る途中、高級外車とすれ違ったが、ちから水を汲みに来たのだろうか。

 そんな上流まで行かずとも、まずは味わってみたい!という方は、ダムの脇にあるふれあい館で飲むことができる。

 定期的に水質検査をしているそうだから、ご心配なく。

 水やお茶ならタダ、インスタントコーヒーは50円、エスプレッソは150円。

 エスプレッソマシンが入ったじゃないか。前はこんなのなかったぞ。

 昨年、隊員であったU氏は、デートコースとして、この場所をフル活用したそう。

 なかなか渋いデートコースである。