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東日本大震災【復興ボランティア】

昨年の3・11東日本大震災が発生。"災害廃棄物"岩手、宮城、福島3県で計約1811万トン。震災で生じた総量の約84%。
『東日本大震災』まだ終わりではない。風化してはいけないと痛感する日々・・・。

 東日本大震災から1年7カ月が過ぎた東北地方の被災地。人数こそ昨年の同じ時期の半数を大きく下回っているが、現在も活動するボランティアは刻々と変わる住民のニーズに対応して活動そのものをバージョンアップさせている。

 さいたま市在住の片岡遼平さん(NPO人権センターHORIZON代表)もその一人だ。片岡さんは10月27日から翌日にかけて、宮城県気仙沼市内の「五右衛門ヶ原運動場住宅」(170世帯)で、岩手県住田町産の「気仙杉」を材料にした縁台(62台)の製作を仮設住宅の住民らとともに行う。

 昨年3月の震災発生直後から被災地の支援を続けている片岡さんにとって、仮設住宅での縁台作りは今回が5度目。知人や父親が幹部を務める部落解放同盟の支援者らからカンパを募ったうえで現地に赴き、住民らとともに大工仕事に汗を流す。

 片岡さんの縁台作り支援は、仮設住宅の住民から大変ありがたがられている。9月2日から翌日にかけて同じ気仙沼市内の「五右衛門ヶ原野球場住宅」(108世帯)で縁台作りを始めたところ、自宅に閉じこもりがちだった高齢者の男性らが次々と姿を現し、大賑わいになった(=タイトル横写真=片岡遼平さん〈右の若い男性〉と五右衛門ヶ原野球場住宅の住民ら)。住民らの手で完成した縁台は計36台。「洗濯物を干すのに欲しかった」「縁台に座って隣人と会話ができる」と評判は上々だ。

 仮設住宅の窓の大きさや高さに合わせて設計した片岡さん特製の縁台へのニーズは高く、この時は野球場住宅での製作のほか、市内4カ所の仮設住宅にあらかじめ作っておいた縁台を提供した。


片岡さん、村上充さん(中)と長磯前林住宅の住民


 被災地では「移動支援」へのニーズも高い。

 宮城県石巻市を拠点に車いす2台を搭載できるマイクロバスを運行するイージーライダー長谷川さん(=下写真=)は、通院や買い物に困っている住民の送り迎えを昨年来続けている。その長谷川さんが気仙沼で移動支援サービスを開始したのは今年7月。地元在住ボランティアの村上充さんからの要請がきっかけだった。

9月19日、長谷川さんのマイクロバスには定員を上回る乗車の希望があり、やむなく村上さんの軽自動車にも住民を乗せて出発。向かった先は岩手県内の温泉だった。ここで長谷川さんによるギターの演奏で「うたっこライブ」を開催。「震災後、声を出して歌ったのは初めて」という人も多く、大成功をおさめた。


■岩手県の温泉「まきばの湯」でのうたっこライブ


 「被災した子どもたちのために何か役に立つことができないか」

 東京都品川区の図書館に勤務する廣瀬恵子さんは昨年以来、心に引っかかるものがあったという。その思いが実現したのが今年9月。夫で編集事務所勤務の勝さんが長野県に住む高校の同級生に相談したところ、知人である村上さんを紹介された。

 9月6日午前、村上さんの紹介で訪れた気仙沼市内の愛耕幼稚園で、廣瀬さん夫妻は念願だった絵本の読み聞かせ会を開催。「当日のために特訓した」(勝さん)甲斐もあり、参加した108人の子どもは大喜び。クライマックスの「くまさんくまさん」(体を使った遊び)では、園児たちの大きな声がホールにこだました。

翌7日には市内の保育園や仮設住宅でも読み聞かせ会を開いた。津波で園舎が被害を受けた双葉保育園での読み聞かせ会では、園児から手話による歌が御礼に披露された。
 昨年秋に避難所が閉鎖されて住民の多くが仮設住宅に移って以降、被災地では「自立」の必要性が折に触れて語られるようになった。


■廣瀬さん夫妻に愛耕幼稚園の園児が御礼のプレゼント


 その際、ボランティアによる支援を「自立を阻害するもの」とみなす風潮も一部で見られる。しかし、現在も続く活動の実態は「支援-被支援」という一方的なものではない。被災者とのつながりを通じてボランティア側も自分の活動に意義を見出していくという双方向の関係がそこには存在する。


■廣瀬さん夫妻が幼稚園での読み聞かせ会のために作ったプログラム


 「被災地の方々と1対1でかかわり続けてきたから活動には区切りはない」と前出の片岡さんは語る。長谷川さんの「うたっこライブ」は大盛況が続く。廣瀬恵子さんも「今度は大人も楽しめるストーリーテリングを入れたものを仮設住宅でやってみたい」と活動に手応えを感じている。


http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/571bccddddecf70413fd726da2560b75/page/1/
被災地の個人ボランティア活動は大盛況