2024年6月20日

二十四節気七十二候「半夏生」は丁度「半夏」(カラスビシャク)という毒草が生えてくる頃の時候です。

半夏生は夏至から11日目で2024年は7月1日です。

 

カラスビシャクは日当たりの良い畑や田んぼのあぜ道に顔を出します。

家庭菜園のふちで見つけたカラスビシャクです。

 

水芭蕉と同じ「仏炎苞」を持った、花を咲かせます。

生では毒性があり舌や喉の粘膜の炎症を生じ、イガイガや声が出なくなるなどの症状が出るようです。

日本ではよく知られた身近な生薬で、

方剤

半夏寫心湯や半夏厚朴湯として販売されています。

 

方剤では毒性を消す過程「炮製」をしてしてから用いられます。

(生姜を配合することで毒性を軽減するようです。)

 

昔は農家の女性がカラスビシャクを薬屋さんに売ってへそくりにしたとか。

 

近畿地方では半夏生にタコを食べる習慣があるそうです。

香川県では7月2日を「うどんの日」と制定し、この日のうどんを食べるとか?

 

半夏生と言う名前の草もあります。

七十二候でいう「半夏」とは別の植物です。

半夏生

 

 

 

半夏生とは、華穂の側の葉が半分白くなるドクダミ科の多年草です。

白くなる様が半分化粧したように見える⇒半化粧⇒半夏生と転じていったようです。

毒性はありませんが、ドクダミに似た匂いがします。

 

 

コマツヨイグサもこのころ沢山咲きます。

 

 

マツヨイグサは宵待草とも言います。

子供の頃宵待草と言う歌が流行して、知らないうちに歌詞を覚えて、今でも記憶しています。

 

待てど暮らせど来ぬ人を

宵待草のやるせなさ

今宵は月も出ぬそうな

 

成人して竹下夢二に興味を持つようになり、この歌が竹下夢二の作詞であることを知りました。

宵待草に関連した夢二の作品を鑑賞したりしました。

夢二は瘦身の女性が好きだったようです。

竹下夢二27歳の夏、離婚後よりを戻した岸たまきと2歳の息子を伴って、房総方面に旅行します。

たまたま秋田出身の長谷川カタ(当時19歳)が教師の姉を頼って成田に来た時、房総に来ていて竹下夢二に出会います。

親しく話しているうちに彼女に心を惹かれ、いつの間にか逢瀬を持つようになりました。

カタの父親は娘に身を案じ結婚を急がせます。

再び房総を訪れた夢二は彼女が嫁いだことを知り、自らの失恋を悟ります。

逢瀬を重ねた海岸でいくら待ってももう現れることのない女性を思い、宵を待って花を咲かせる宵待草にことよせて、この歌詞の着想を得たと言います。

 

私は昔はずっと女性の歌だと思っていました。

当時女性歌手が情感を込めて歌っていたからです。

成人になってから夢二の実体験の歌だと知り男性の歌であることが分かりました。