2024年6月9日
午後高島平でコンサートがあるので、東京に出たついでに郷さくら美術館に寄りました。
郷さくら美術館
今回の企画展の看板です。
第4回 FROM それぞれの日本画 展です。
グループに所属する8名が日本画と言う伝統的な技法を継承しながら、現代に生きる感性で絵画表現を模索している問題提起の作品群です。
展示室は1階と3階で、2階は桜百景の展示となっています。
1階展示室A
川崎麻央作 韋駄天
韋駄天を題材にした朱色ベースの作品です。
神話の神々は山や海の自然を内的イメージで記載されていて、その容姿の具体的記述が殆んどないため、作品自体も少し抽象的表現になっています。
長澤耕平作 夜の森
森の総体の表現は難しいので、暗さの中に森を閉じ込めてしまうことで、目に見えない森のネットワークが抽象的に浮かび上がってくる感じでしょうか。
田島周吾作 三珍魚六地蔵十猫図
パズルのピースを一づつ嵌め込むように、自分の好きなものをごちゃごちゃ詰め込んだ、云わば宝箱の絵です。
1階展示室B
木下めいこ作 空創
白モクレンを見上げた春の空だそうです。
空を白くして空気感を出し、空の青さを反転した技法で、葉を青く表現しています。
これも日本画の範疇の絵と考えているようです。
山浦めぐみ作 Misen
広島の厳島と弥山描いた作品です。
赤い鳥居の宮島でなく、モノクロのような画面です。
山浦さんの宮島の風、音、海面、山のかけがえのない原風景が心象風景風に描かれています。
3階展示室
押元一敏作 創世
「ただそこの石が存在する風景」。
自分が描いているのは本当に地球の一部なのか、生物の影の無い未知の地球なのか、それとも先史時代の地球なのか、はたまた他の惑星なのか、分からなくなってくる。
世界に対して人間はどう向き合うべきなのか考えるきっかけになれば、この作品を描いた意味が生まれてくる。
野地美樹子作 Sijima
青い夜の静寂の中で、冬の冷たく冴えわたった月が樹々を照らしている。
北の大地の雄大な雪原がすべての音を吸収し、静かな世界がそこにある。
この風景の中でただ一人、ゆっくりと息を吸い目を閉じる。
そこに映る景色は自分の心を見ているのかも知れない。
自然と一体になり日常の役割やしがらみから解き放たれた一人の人間として、自分の過去や未来を考える。
その時間はゆっくりと流れ、眠りのような世界であるけれども、
現実の寒さに目が覚めてゆく。
2階展示室は桜百景の展示がされています。
寒緋桜
紅手毬桜
エドヒガンザクラ
普賢桜
ソメイヨシノ
オオシマザクラ
御衣黄桜
大山桜
魁桜
今回の桜は展示方法を変えていました。
桜の種類別と言うのはいい企画ですね。