2023年4月17日

富山市ガラス美術館の企画展「アナザーワールド」を見てきました。

富山市ガラス美術館

 

 

展示室の入り口は3階です。

 

会期は6月18日までです。

最初に竹岡健輔のワールド

 

 

ガラスを電気炉でシート状に編み込み変形させていく。

これにより布のような軽やかさと躍動感が表現されます。

 

 

 

シート状に編んだケーンを吹いたガラスに前後から張り合わせ、熱しながら息を吹き込んで形成した

ガラスの不思議なレアルな世界観がのぞけます。

 

続いて津守秀憲の胎動と言う作品群で、ガラスと土を混合焼成したものです。

 

大きな亀裂や表面のひび割れ、糸を引く質感は金剛焼成特有の表情です。

 

 

 

 

内部から押し広げるような、胎動をというかエネルギーを感じさせます。

ガラスの概念が上書きされた感じです。

 

今井瑠衣子のアナザーワールド

 

 

真鍮網にガラスを付着させて、布とか革製品、木製品の質感を表現しています。

 

 

 

 

故郷を離れて一人暮らしを始めたころの、新しい環境での孤独感や寂寥感の先に、慣れ親しんだ日常品への愛着と思い出を惜しむ気持ちを重ねてまるで石膏の作品のようなものへと創り上げていった作品群です。

 

 

2階の展示場に降りていきます。

 

木下結衣のアナザーワールド

 

ソフトガラス、ガラスビーズ、マザーオパール、合成オパール、針金、フェルト、テンプワーク、刺繡などのアセンブラージュ作品

 

 

 

 

 

クラゲ、ウニ、イソギンチャクのように不思議な美しさはあるけれども、ゾクッとするところもあります。

各パーツの無機質なイメージのガラスをこまめに制作していき、集合体とすることで新しい生命力を体現していく作品群です。

 

小林千沙のアナザーワールド

 

吹きガラスの手法でガラスを薄く膨らませて引き伸ばし出来上がった形態同士をつなぎ合わせて和紙で覆うという手法で、生き物の身体や臓器を思わせる作品群。

 

 

 

黒一色に彩色しガラスの無機質な透明性を消すことで、温もりに似た感覚が誘発されます。

ガラス作品の躍動感はガラスを吹く呼吸や身体の動きで微妙に調整されるそうです。

 

植村宏木のミクストメディアの作品群

 

 

 

アイデアが先走っているだけで、あまり感動できませんでした。

概念のアイデア作品はたいていが持続可能な作品になりえません。

 

髙橋まき子のアナザーワールド

 

奇抜で不思議な生物群

 

 

 

 

 

 

素材はガラス、コンクリート、鉄、樹脂粘土、ハート・ド・ベームなどです。

万華鏡もありですね。

覗く作品ですが、手で触れることができないので、覗くことはできませんでしたが。

 

四つ足動物なのでしょうか。

 

蟲にも見えます。

 

ガラスの不思議な世界を見て、ガラスの可能性の広がりと深さを感じることができました。

会期は18日まででまだ鑑賞は可能です。

 

出口は2階になっています。