2021年4月26日

美術館に行きたいのですが、東京都知事の小池さんがコロナ感染を恐れて東京に来ないでくださいと言っているので、出かけるわけにはいきません。

今行きたい美術展は郷さくら美術館の桜百景展とSOMPO美術館のモンドリアン展です。

モンドリアン展の会期は6月6日迄なので、もしかしたら行けるかも知れませんが、桜百景展の方は5月16日迄なのでこちら和無理かもしれません。

桜百景展には30点の桜を描いた日本画が展示されています。

その中の8点以外は図録などで観賞できるのです。

またスマートフォンアプリ「ポケット学芸員」で殆どが観賞できます。

そのQRコードをカメラで撮影したものですが、有効かどうか分かりませんがアップします。

一応試してみてください。

郷さくら美術館のホームページの出展目録の後の部分にもQRコードは載っていますのでそちらで試しても良いでしょう。

 

と言うことで私は図録などで観賞しました。

1階A会場では屛風が5点展示してあり、そのうち4点が図録で見ることができます。

全て三春の滝桜を主題にしています。

牧 進

中島千波

 

栗原幸彦

 

松平礼二

 

三春の滝桜は多くの画家に創作意欲を掻き立てるようです。

背景の色は青、蒼、緑、黒とそれぞれ趣があります。

好みは栗原幸彦さんの滝桜で匂うような妖艶さで迫ってくる感じです。

 

1階B室

那波多目功一

青森県弘前公園の桜です。

左右に近景の桜を配し、中央をぼかして霞むように桜を表現しています。

空を青くしないで、北国の遅い春の雰囲気を醸し出しています。

 

鹿間麻衣

同じ弘前公園の桜でも着目点が異なります。

弘前城址の外濠に浮かぶ花筏を、まるで秋の紅葉のように絢爛豪華に表現しています。

この作品は第6回郷さくら美術館桜花賞展で大賞に輝きました。

 

仲裕行

これも三春の滝桜です。

暈かすことで春の朧げな雰囲気をパステルカラーで表現しています。

こうゆうのも好みです。

 

押元一敏

 

この桜は福島県妙関寺の乙女桜です。

タイトルは<<薫・乙女桜>>ですから、風に誘われて芳香が漂ってくるようなイメージを表現したようです。

 

次は3階に登ります。

鈴木紀和子

埼玉県長瀞の桜です。

桜にスズメを配することにより、画面に躍動感が生まれます。

穏やかな午後の一瞬をとらえて、映像化したものです。

 

中野嘉之

静岡県の乙女桜です。

同じように鳥を配置してもこちらは躍動感を出すのではなく、画面のバランスと言うか、安定感を出すキジです。

 

田島周吾

東京の福禄寺の桜だそうです。桜のイメージは大きく広がり実在から変容していきます。

桜と背景の蒼の対比の面白さへと誘われます。

 

手塚雄二

開花にはまだ早い、寒い日の三日月が冴えわたっています。

黄昏の夕方の空気を鋭い枝が引き締めています。

 

伊達良

東京の目黒川の桜です。

桜を映す目黒川に、桜の枝を透過する陽光のきらめきをも映して、春の陽を意識した表現となっているようです。

 

2階に下りて

水谷興志

四曲一双の屏風

左隻

右隻

奈良県吉野の桜です。

吉野の桜の日本画は多いです。

 

伊藤深游木

雰囲気から吉野のヤマザクラでしょうか。

抽象画に近い画面で、色彩感が何とも言えず、私の感性に訴えてきます。

 

最後は加山又造の作品です。

日本画の伝統的な様式美を現代的な感覚で表現した作家です。

加山又造は作風をカメレオンのように変化させていった作家ですが、日本画においても現代の琳派と称されるような境地にも達した画家でした。

 

総括すると桜は色々ですが、表現された桜は無限の広がりを持っているようです。