北海道の古平町
中央旅館に泊まってみました。

小樽からバスで約1時間。
積丹半島の古平町は漁業の町だ。
町の中央、町役場から道路をはさんで、
中央旅館が建っている。三叉路の突き当りにあって、積丹方面へ行く時に嫌でも目に入ってくる旅館なのだ。

はたして、今でも営業しているのか??
4年前に泊まった時は他の客はいなかった。
事前に予約を入れた。
「宿泊の予約をしたいんですが、5月13日は空いていますか?」
「はい、1人ですか?」
「ええ、1人で素泊まりでお願いします。」
「お名前と電話番号を…」

「●☓▲□、電話は……です。」
「はい、●☓さんね。
で、いつだったかね?」
(私はかなり不安になったが)
「5月13日です。火曜日です。」
「はい、お待ちしてます。」
「よろしくお願いします。」
(旅館の玄関にあった柱時計。止まっていた。)

しかし、年配のおばちゃんが一人でやってる旅館であるからな…念のために葉書に「電話で予約しました通り、以下によりお願いします。宿泊日…人数…連絡先…」と書いて投函しておく。これでたぶん忘れられることもあるまい。
着いてみると、この日も他に客はいなかった。

テレビが地上デジタル放送になってからというもの、如何にレトロな旅館といえども、テレビだけは新しい。
それ以外は、こんなふうに「昭和」である。

風呂は自分でふたを開け、入浴後は自分でふたをしておく。
洗い場の蛇口やシャワーは1人分だけである。
やや大きめの家庭用の風呂と思っていただけばよい。

タオルは積んであるものを適当に使う。

風呂への通路が洗面台になっている。
歯磨きなどをする場所である。

こういう洗面台は今どき貴重である。

近年までは和式だったのだろう。
もちろん共用であり、客室にトイレや洗面台は設置されていない。

こちらは男性用。
巨大なスリッパのようなものは陶器製であり、ここまで進んで用を足しなさいという事らしい。

素泊まり3800円。
町で(たぶん)唯一のコンビニが近くにあり、食事には困らない。
体力と気力の続くかぎり頑張って下さいね、女将さん。