横浜で開催された「終活フェア」に行ってきました。
神奈川県生協とコープ総合葬祭ゆきげ案内センターとの共催イベントです。

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最近は「終活」という言葉をよく聞くようになり、相続やエンディングにまつわるテーマのイベントがあちこちで開かれるようになってきました。
通常は幅広く宣伝し、より多くの人に来てもらおうとするイベントですが、今回のイベントは少し違いました。告知は神奈川県生協・ゆきげが発行するニュースレター に限定し、参加は事前申込み制。しかも参加費は2000円。ゆっくりと長い時間いてもらえようにと、ランチバイキングつきです。

これは相当意識が高い人が集まるだろう、来場者数はそう多くないだろうと思っていたところ、「11月にご案内し、12月には申し込みが多くて参加を締め切った」という話を聞いてびっくり。
世の中の「終活」への注目は、この1年でさらに高まっているようです。

ちなみに今回の終活フェアでは、私が手がけているような遺影やエンディングノートに特化したセミナーや相談ブースはありませんでしたが、取り上げていたテーマは、遺言、終末期医療、介護、任意後見、墓、散骨、葬儀、相続等と、私としてもやっぱり興味深いテーマばかりです。
会場は、150人以上入る講演会会場、30~40人のセミナー会場、各社ブースが並ぶ相談会場、の3構成。そこにはお菓子や飲み物が用意された休憩コーナーがあって、7~8人が座れるテーブルがいくつもあります。

会場にはご夫婦や親子で参加されている方を何組も目にしました。相談コーナーで対応していた終活カウンセラーによれば、夫婦での参加者は、特に熱心なのだそうです。

私が到着した時、講演会場では「おひとりさまのエンディング~こんなことが解決すれば安心~ 」の講演が始まったところでした。講演会場に入ると、会場はびっしり。立ち見も大勢います。
一人世帯がどんどん増加し、孤立死孤独死が社会問題とは言え、こんなに関心が高いのか!と、ただただ驚きます。講師の言葉に、「へえ~。」「なに?」という小さなざわざわやフーッというため息などが聞こえてきます。講師は、シルバーライフの一般社団法人代表理事。
この団体は、家族の代わりとなるさまざまなことをやってくれる団体で、講演ではおひとりさまの心配事を紹介し、その一つ一つについての解決方法・提供サービス内容が紹介されました。

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実際にそういうサービスを利用する人は、おひとりさまも多いという話ですが、実は最も多いのは、ここ数年で配偶者を亡くした人。特に子どものいない人だそうです。
また、たとえ子どもがいても、事情があって子どもには頼りたくない人のエピソードも紹介されました。
聞けば聞くほど、私にとっても他人事ではありません。おそらく私の周りにいる友人たちも、切実な問題のように思えました。

主催者の発表によれば、参加申込者の年齢層は60代が39%とトップ。続いて70代、50代と続き、50~70代で全体の88%を占めるそうです。私の目から見て「おひとりさまのエンディング」講演の受講者はこの傾向よりも少し高め。70代が多いように見受けられました。
一方で介護をテーマにしたセミナー会場は、60代が最も高く40~50代と見受けられる層が多かったのは、きっと親の心配をしている子ども世代が受講しているのでしょう。

会場の休憩コーナーでは、たくさんの人がテーブルがを囲み、お茶を飲みながらおしゃべりを楽しんでいました。

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一つ一つのテーマは、誰もがいつかは必要になるであろう情報、知っておいた方がいい情報ばかりですが、普段はなかなか、学ぶ機会や知る機会が少なく、いざという時に困ったり手遅れで問題につながったりしそうに思えることばかりです。
今回のイベントは、主催者が定期的に発行しているニュースレターの読者に告知し、参加申込みを受けての開催ですが、そういう組織でもない限りは、一般の人はなかなかそういう情報に辿り着くのは難しいのではないかと思います。考えたこともないから調べようとせず、知らないまま時が過ぎていく、どうやって探したらいいのか調べたらいいのかわからない、きっかけがない~こういう人がきっと多いのではないでしょうか。
意識して情報が捉えられれば、目に見えない不安を一つ一つ減らして行くことができるだろうと思います。

こういうことが、日常的に知ることができるような場があるといいでしょうね。
それも、終末ばかりに限定せず、もっと楽しく、もっとイキイキと生きていくための情報提供までされて、参加者はそれを楽しみにするような場だったら・・・。

顔に注目し、個人個人の生き方や生きざまを気にしている私は、これからますますそういうことに関わりを持ちながら、エンディングだけでなく生きることにフォーカスしていい顔づくりにする活動をしていければいいなあ、と改めて考えさせられました。