夫の仕事関係で知り合い、その後、私も仕事でお世話になった方(女性)のお母さまの訃報を受け、お通夜に伺いました。
東京の下町。
今の時代、東京ではお通夜にうかがうのが普通で、告別式は近しい方々だけという風潮があるのは、考えてみると本当に不思議なことです。。

彼女はフリーのプロの仕事人でした。
その昔、まだ確立された分野がなかった頃からフリーの立場で仕事を始めていました。
その世界では、30年くらいの経験と実績を重ね、私も仕事で関わったのでした。
もちろん、今でも活躍されていました。
それも、高齢のお母さまの介護をしながら。

デイサービスやヘルパーさんなどの手を借りながら、時にはそういう介護サービスへの不満を口にしながらも、お母さまのお世話をされていた話を、時々聞いていました。
彼女の家に大勢の仲間が集まる花火大会の時には、車いすのお母さまも一緒に花火を見ました。

お通夜の後、彼女に聞いた話によれば、
大事な仕事のタイミングで、いつもお母さまが体調を崩すときと重なっていたそうです。
でも今まで、彼女はそんな風を見せることはありませんでした。
仕事に穴を空けることなども聞いたことはありませんでした。

そして、亡くなったその日も、彼女には大事な仕事が入っていた日だったそうです。
彼女はお母さまの最期に立ち会い、向き合い、そして仕事に出かけ、それから改めてお母さまとお別れしたそうな・・・。
やるだけやった、という悔いのない思いが少し見えたような気がしました。

仕事人としての彼女に、頭が下がります。
仕事をしっかり続けながらも、お母さまとしっかり向き合ってこられた彼女に、
頭が下がります。

でも、がんばりすぎて大丈夫かな。
きちんとお別れできているかな。

そんなことが気になるお通夜でした。