遺影について思うこと~自分らしく言いきるために~にようこそ。

前回の記事でお伝えした、勘三郎さんの写真展に行ってきました。

カメラマンは林義勝さん。
広告業界にいた私から見れば、大御所です。
若い頃からの、舞台写真の数々、女形の勘三郎さん、
家族仲睦まじいご様子の、プライベートな勘三郎さん、
・・・勘三郎さんのお顔・表情がたくさん展示されていました。

勘三郎さんは、若いころからやさしそうなソフトな印象のお顔。
でも若い頃から、年齢を重ねれば重ねるほど、
どんどん凛々しくハンサムになっていったのが、
写真を見ていて、よくわかりました。

優しそうなお顔は若い頃からずっとそうなのですが、
その優しさが年齢とともに、強さの上に成り立つ優しさへと変わっていったのが、
お顔によく表れていたのです。

会場に、作家・村上元三さんのコラム「二人の若者」(300文字程度・直筆原稿)が
展示されていました。

そこには、
林義勝さんが撮った勘三郎さんの写真のことを、
舞台写真の専門家が気づかない「生地」を素直に撮っている、と書かれていました。

二人のイキがぴったり合っているというのです。
二人とも、同じ道を進む大先輩を父に持つだけに、
他人にはわからない苦労を共有しているからこそであろうことを慮っている様子が
溢れ、彼らの将来を期待するコラムでした。

サラリーマンの娘だった私には、想像しようもない世界でありながらも、
そのエッセイには心に響くものがあり、
今頃勘三郎さんは大先輩のお父様の前で胸をはっているのかも、と羨ましく感じて帰ってきました。

イキが合い、「生地」を素直に撮っている・・・
息づかいが聞こえるような写真・・・

この写真展は2月3日まで。入場無料。
東京・半蔵門のJCIIフォトサロンにて。

詳しくはこちら。
http://www.jcii-cameramuseum.jp/photosalon/photo-exhibition/2013/20130107.html