最近、日中、自宅や定宿で過ごしていると、
時折ですが、NHK総合の「列島ニュース」を見ることがあります。
この番組、NHK大阪制作の番組で(以前BS1でやっていたころは東京制作だったと思います)、
全国のNHKのその日の昼ニュースの中からピックアップして、放送する番組。
ローカルニュースでも注目のものもあれば、
本当にローカルのニュースというものまで様々です。
内容もさることながら、
職業柄か、どのアナウンサーがニュースを読んでいるのかも、
気になってしまいます。
面識有るアナウンサーの方や、
中には目指しているときによく呑みに行っていたアナウンサーの方も出てきて、
懐かしく思うこともあります。
で、この番組。
上記したように、その日の各地の昼ニュース=定時が午後12時15分~5分間のものを、
「列島ニュース」本放送=定時が午後1時05分~50分間の番組で放送するわけですが、
よくよく考えると、昼ニュースの定時終了から「列島ニュース」本放送定時開始まで45分。
つまり、本番開始までに映像を準備するのは45分程度です。
放送に携わっていると感覚的に「45分しかない!」と思う方が多いと思います。
当然、当日の事前段階(午前中でもそれなりに早い時間帯)に、
各局のニュース項目が送られてきて、そこから担当者が選別する作業をしているのか、
前日までに、放送する局を決めているか、でしょうが、
全国枠を広げるほどではないものの、大きな事件・事故が発生した場合の対応もあるでしょうし、
何と言っても、選別等は終わっていても各局のニュースが始まらないと編集作業が出来ない。
大阪のスタジオで進行のアナウンサーの方が読む原稿も、
事前に作ることが出来るものもあれば、そうでないものもあるでしょうし、
その辺りは、通常ニュース対応の延長で出来るかも知れませんが、
それでも、各地のニュースの放送時間は基本的に全国で統一されているでしょうから、
いろんなことが一気にやってくると、その対応はなかなか大変だと思います。
私が、以前(と言っても20年以上前ですが)、
ニュースのFDをやっていたころ、その局には系列キー局のニュース項目がFAXで送られてきていて、
昼ニュースの場合は、最初は9~10時くらいに送られてきますが、
順番が変わったり、項目が差し替わったりして、
大体2回は変更が来ていましたし、3回以上変更があると「今日はいろいろあるんだね」という感じでした。
FAXなので、発信元が一斉に発信してもすぐに着信せず、2~3分後くらい着信していたと思うので、
放送直前の差し替えなどが発生すると、放送開始後にFAXが届いていたことがありました。
今は、恐らくFAXではなく、
イントラネットで共有しているでしょうし、
項目自体PCで作っているでしょうから、
私が携わっていたころのようなアナログ的バタバタ感はないでしょうが、
ニュースは刻々と発生しています。
ニュースの発生させるのは(自然現象除けば)人間ですし、
それを見つけてくるのも人間ですし、
どのニュースを取り上げるのかを決めるのも人間ですし、
その原稿を作ったり映像編集するのも人間ですし、
読むのも人間ですし(時折AI自動音声のものがありますが…)、
いろいろとサポートするのも最後は人間ですし、
見るのも人間。
色々とPCや発展により、以前とは比べ物にならないほど、いろいろと便利になっていますし、
実感すること多々ですが、
デジタルでもアナログでもない、人間的なバタバタ感は、
今でも、いやニュース制作が完全機械化されない限り、続くんでしょうね。
これがたまらないんですけどね、ニュース番組制作の現場が好きな人は(ニュースの内容とは別です!)。
私もその部類です。
以上、アナウンサー&ボイストレーナー 岸根正朋でした。