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なぜ届けたいメッセージが
届かないのか？について。
今、目の見えない
精神科医の本を
作っています。
北海道美唄市に住む
福場将太さんという方です。
医学科５年生の頃に、
徐々に視野が狭まる難病
網膜色素変性症を
患っていることが分かり、
32歳で完全に
患者さんの姿が見えなくなったそうです。
それから10年以上、
全盲の状態で
患者さんと向き合われています。
取材の中で、
彼はこう言ったんです。
「見えることは
時として残酷です」
つまり、
「目が見えること」
というのは良いことばかりとは
言い切れないと言うのです。
というのも、
見えることによって
欲しいものがすぐ手に入り、
「手に入る喜びが
分かりづらくなるから」
と言います。
確かに、
目の見える人にとって、
駅まで歩くことや、
遠くにいる人を見つけること、
または、漫画が読めることは、
難しいことではありません。
でも、先生にとって、
その全てがスペシャルな
ことなんです。
だから、嬉しいと思うことが、
日常の中にたくさんあるんだとか。
そんな先生に
取材の中で意を決して、
「もしも、もう一度
目が見えるようになったら
何がしたいですか？」
と聞いたことがありました。
すると先生は、
迷わずこう答えました。
「もしももう一度
目が見えるなら、
海が見たいです。
そして、好きだった
漫画の続きが読みたいです」
と。
自分の生きている日常は
当たり前の日常ではない。
こんな月並みな言葉に
否定の余地がないと
思えたのは、
きっと後にも先にも
この時が一番です。
そんな先生の言葉を、
1人でも多くの方に届けたいと思っています。
秋ごろには発売できる予定です。
先生の言葉を届けたいので、
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