会社法務の専門家として活躍の場が拡がれば
昨日は福岡司法書士会の研修会で70名の司法書士さんを前に講演させていただきました。
意外ですが、皆さんあまりファイナンスに関わることがないとのこと。
司法書士さんといえば、土地の売買や会社の役員変更のときに書類を作ってくれる人と
いうのが一般的なイメージでしょう。
しかし、直接金融の場では、会社法務の専門家として様々な活躍の場があります。
たとえば単純に資金調達をするといっても、普通株式によるか、種類株式によるか、新株予約権付き
社債にするか?手続きだけではなく、そのメリットデメリットを含めてアドバイスが必要です。
また、ストックオプションや自社株の取得などインセンティブをどう設計するかというのも会社法の
知識が必要になります。
M&A・事業承継の場でも、企業再編(合併、会社分割、事業譲渡・・)といった手法を駆使することに
なりますし、M&Aの契約書の作成や資産の移転などの手続きには専門家の力が必要です。
コーポレートガバナンスの構築では、会社の組織設計(社外取締役の選任、監査役の選任、株主
総会の運営、会計監査人の監査、委員会設置会社)など企業規模にあった適切なアドバイスが
求められます。
こういった専門知識を持つ司法書士さんは、直接金融が活発になってくると、もっと活躍の場が
拡がるのではないかと思います。
これらの企業法務にアドバイスを行うには、企業の経営方針、事業計画、投資家の視点を考慮しな
がら進める必要がありますが、若手の司法書士さんなどは積極的に勉強もされています。
経営者もせっかく株式会社にしているなら、いろいろな手段を活用すべきですが、そんな方法が
あることすら知らないという方が大多数ではないでしょうか?しっかりアドバイスする身近な存在
がいれば、資金調達や事業承継がもっと円滑になるということもあると思います。
ぜひそのような役割を司法書士の先生方に担っていただければと思っています。