久喜市内の学童保育でアレルギー事故が発生した件を、議会で取り上げました。
読売、朝日各紙で報道されています。
本件は、子どもがアレルゲン物質を含むお菓子を与えられ、アナフィラキシーショックを発症。1日入院するに至った事故です。
一歩間違えていれば、命を落としかねませんでした。
再発防止のために、事故を徹底的に検証する必要があります。
関係書類を全て精査した結果、行政側の瑕疵と思われる点は以下の通りです。
【誤食前】
①厚労省の方針に準じた規定上、アレルギーを持つ子には実施されるはずの「保護者との面談(対応方針の検討)」が実施されていなかった
➁職員間で、アレルギーを持つ子の情報が共有されていなかった
③子供から「これ食べていいの?」と確認を受けてもなお、確認を怠った
→アレルゲン物質を含んだお菓子を誤食
【アレルギー発症後】
④初期症状が出てから、5分毎に症状チェックシートに記録するはずが、チェックシート自体が存在しなかった。(記録もなし)
→緊急性が高いアレルギー症状が発症
⑤厚労省のマニュアルに準じた対応マニュアルで「緊急性が高い」と言われる症状が出た場合は救急車を要請することとなっているが、救急車を要請せず。職員がタクシーで搬送した。
⑥しかも、タクシーで向かった病院の医師からは電話で「保護者の同意が必要」と言われていたが、保護者に連絡がつかないまま、タクシーに乗り込んで病院へ向かった
⑦結果的にタクシー車内から保護者に連絡はついたが、もし連絡がつかないままタクシーが病院につくことも考えられた。移動中のリスクも勘案すると、マニュアルの通り救急車を呼ぶべきであった
【事後対応】
事故後、2カ月半の間、
⑦アレルギー事故の詳細を、他の学童保育施設に周知せず
⑧当該学童の保護者にも周知せず
⑨市役所内部でも情報を共有せず。(他に子どもに関わる部署はあるのに)
⑩事故報告書にも、④~⑦に関して言及なし
■
ヒューマンエラーを100%防ぐのは不可能かもしれません。
しかしながら、少しでも「注意の目」を増やすこと、「注意の意識」を高めることで、ヒューマンエラーが発生する確率を下げることは可能です。
そのために必要なのが、情報公開です。
起こしてしまった事故を、広く共有する姿勢が再発防止の第一歩になるはずです。
今回の久喜市と指定管理者の対応は、極めて不十分でした。
議会で再発防止に向けた情報共有を求めたところ、関係者(少なくとも全学童保育職員や、保護者、関係部署)には、事件の詳細を共有する確約を得ました。
それにしても、議会で私が扱わなかったら、事例として共有もせず、当事者だけが知る事故として終わらせるつもりだったのでしょうか。
「不都合なことも公開する」姿勢が、行政としてのあるべき姿のはずです。