先週、小林小学校の研究授業へ伺い、
「9年間を通して育む体力の向上」とのテーマで展開された体育の授業を参観してきました。
私が感じた小林小の特長は以下3点です。
①Jプランの活用
Jプランとは中学校の先生が2年間、学区内の小学校で勤務し同じ中学校へと戻る人事交流制度の事。
なんと現久喜市教育長の柿沼光夫氏が埼玉県教委時代に創設した制度なんだそうです。
小学生が中学校へ進学する際に、ギャップに戸惑い不登校等になることを「中1ギャップ」といいますが
Jプランは中1ギャップの解消にも寄与します。
気心が知れた先生と一緒に中学校に進めることが「中1ギャップ」の解消に繋がるともに、
中学教員が持つ特定教科への専門性を小学校で発揮できるわけです。
小林小には、菖蒲南中の体育の先生が赴任し体育を受け持っており、授業を展開していました。
②県平均を遥か上回る体力テスト結果
小林小は、新体力テストにおいて96項目中、84項目が県平均を上回る驚異的な成績を収めたそうです。
これは、小学校から中学校までに身につけるべき技能の「系統表」が作成され、
各学年での目標が明確になったことで、技能習得が進んだ結果。
小中の連携が進んだ成果と言えます。
また、ウォーミングアップで取り入れている補強運動の回数を競ったり、
BGMに今流行っている曲(RAD WIMPSや三代目JSB!!!)を採用するなど、児童生徒の気持ちを高める工夫がされていると感じました。
③中学1年生との合同授業
小林小の体育の授業には地理的に隣接する菖蒲南中1年生が定期的に参加するそうで、この日も小学生と中学生の合同授業が行われました。
身近な目標となる中学生が身近にいることは、小学生にとってもメリットですし
中学生にとっても小学生との関わりを通じて「目配り」「教える」という観点を持つことは大きなメリットです。
柿沼教育長が「憧れの連鎖」とおっしゃる、小学生中学生の関わりは、非常に素晴らしいものと感じました。
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私は研究授業とは、自動車開発で言うF-1みたいなものだと思っています。
各自動車会社が威信をかけて開発したF-1向け技術が、やがて乗用車の開発に役立つように、
その時点での知見を結集し、複数年単位で入念に準備された授業が、日常で展開される授業を進化させるのだと理解しています。
ある意味で、研究授業は「非日常」であり先生方のご負担も少なくありません。
そうしたご苦労のもとに得られた素晴らしい成果が、広く共有され、久喜市の教育が更に発展するよう議会から後押しが出来ればと思っています。
小林小の皆さま、関係者の皆さま、素晴らしい授業を拝見させて頂き、ありがとうございました。