全てに「礼」を | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

 犬村大角役、吉田です。

とうとう八犬伝公演完走となりました。応援いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

 思い返せば、この5年の間、犬村大角という役、人物と付き合ってきたことになります。個性的な八犬士の中で、そこまで目立つ人物像ではなかったかもしれません。しかしながら、静かに構える振る舞いであったり、思慮深い行動だったり、他の登場人物にはない一面が多く、そんな部分を公演の中で感じていただけたのなら幸いです。

ただ、今回の大角は怪しい占い師に変装したり作戦失敗の腹いせに城を落としたりと、情緒が安定していませんでしたね(笑)。そんな思いを持ちながらも、どの場面も楽しく演じさせてもらいました。個人的には和睦の調書を読み上げる場面と結婚を躊躇う場面は好きだったりします。

 

 今回印象深いのは、やはり犬士のダンスでしょうか。ダンスは本当に心得がなく、振付を覚えるのも精一杯でした。幸い、立ち位置が久保田君と千野さんを見ながら踊れる位置でしたので、練習中はもうずっと前ばかり見ておりました。なんとか形にはなったと思いますが、細かいところはご容赦ください…。あと、毎度のことながら殺陣(主に剣ではないところ)をつけさせてもらいました。毎回引き出しがなくなりかけていますが、とうとう丸太の殺陣まででてきてしまいました。音響、照明さんのお力添えもあり、派手に暴れてもらって良い仕上がりになったと思います。

 

 劇中でも少し触れていましたが、本当に色々な物事が変わった5年間でした。演者との距離を考えた舞台の設営、マスクの着用徹底、消毒や換気の徹底など、演劇に限った話ではありませんが、気を揉む部分が多々ありました。しかしながら、色々な方々の力を借り八犬伝の物語を最後まで進めることができ、感慨深いです。

気が抜けない状況に変わりありませんが、少しずつ、以前の日常に戻れることを切に願います。

 最後に、重ねてになりますが公演に携わってくださったスタッフの皆様、公演に足を運んで下さった皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。次回公演でも、皆様とお会いできるのを楽しみにしております。