歌舞伎×現代小劇場!! | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

作演と、源頼朝役で少々出ていた千野です。

ご来場くださった皆様、お力添えくださった皆様、応援してくださった皆様……この公演に関わるすべての皆様に感謝申し上げます。

 

今回は2011年上演のものを、11年ぶりの再演ということになりました。

大河ドラマがこの時代を扱ってくれなければ企画自体がなかったと思うので、まぁ便乗といえば便乗なのですが、この巡り合わせにも本当に感謝しています。

劇作としては、初演時の台本にほとんど手を加えてはいないのですが、改めて原作を読んで、より適切な言い回しにしたり、その後の歴史学の研究成果をちょっとふまえた台詞にしたりの微修正をしたり……あと、一ヶ所だけ、初演にないシーンを追加したりもしました。

とはいえ、ほとんど初演と大きく変わってないかなと思います。

そういう意味では、11年前の自分、意外にやるじゃん!ですかね笑

 

演出としては、今回はかなり欲張ってしまいました!

一応のところ、テーマは 「歌舞伎×現代小劇場演劇」でした。

舞台さんには、歌舞伎と小劇場を融合していただきつつ、江戸に寄らず鎌倉時代っぽく!と無茶ぶりし、音響さんには歌舞伎っぽさを、照明さんには逆に現代小劇場っぽさを出していただき……という、なかなかワガママなお願いをたくさんしたのですが、もう本当に、見事なお仕事をしていただき、ああいう作品が仕上がったのでした。

本当に、私の観たかった「歌舞伎×現代小劇場演劇」になったなぁ、なんて密かに大満足しているのですが、いかがでしたでしょうか……?

 

役者としては、11年ぶりの源頼朝。

実は、過去に演じた役の中でもかなり好きな役柄だったので、また演じることができて本当に嬉しかったです。

もうほんと、劇団員にも忘れ去られているぐらいの役だったけど!!

(頼朝は『義経記』では東さんが演じているので、劇団員は頼朝=東と思いがちなんですよね!いや私も東の頼朝好きだけれど!!)

『曾我物語』の頼朝は、数ある頼朝を描いたもののなかでも、いちばんキレイでいちばんドラマティックだと思うんですよねぇ……。

初演でも、「貴公子から暴君へ」みたいなストーリーを思い描いてやっていたのですが……時の流れって不思議ですね、11年前は貴公子の方が得意だったんですが、今になってみたら暴君の方がやりやすかったです。何この成長(?)。

あれれ? もっと優雅にできたはずが、と思うところも、あれれ? 初演の時は何を悩んでいたのだと思うぐらいすんなりいったところも、全部全部11年という時の流れを感じた次第です。

……ちなみに、11年前の頼朝は某アニメのルルー●ュを意識していたのですが、今回は鬼舞●無惨でいこうかなとか思っていました。でも、無惨様よりもうちょっとマシな上司になったかなと勝手に思っています笑

 

さてさて。

この恒例稽古日記ではだいたいトリを務めている私ですが、今回は主演に譲りますとも。

明日は主演の久保田からの更新です!

きっと素敵な話を聞かせてくれるでしょう。

 

2022.7.17 公演から2週間を終えて

千野裕子