ひきがねになった、わたしのりこん! | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

曾我物語、ご来場いただき誠にありがとうございました。
万劫です(マンゴー🥭ではなく”番号”発音でどうぞ)。

劇団としては10年?11年?ぶりの曾我物語再演ということで、いや時の流れというのは凄まじいものですね。もはや十年はひと昔だよ……
ちなみに私はその昔と同役での登板になったのですが、いくらなんでも10年以上前のことでは流石に覚えておらず。
とか思いきや。
当人も正直びっくりしましたが記憶の奥底にはかつての台詞とかうっすら残っていたようで、なんとなく記憶の端っこを掴んでたぐり寄せつつ上書き更新してく作業がちょっと普段の公演とは違って面白かったです。
実は(なのか普通に皆さまお気づきだったのか)、五郎十郎との立ち回りにも黒子としてモブ参加したのですが、殺陣をやるのもおそらく10年近くぶりなはずでも意外と覚えていて、はあー人間の脳ってすごいねぇーと月並みな感想を抱いた次第です。
まあ10年ぶりでも殺陣の型はわかったけどゲネ本番本気で動いたらあれっぽっちで即日筋肉痛になりましたけどね!そこは等しく10年の歳月がね!

とはいえ再演で前回の記憶もたどれた部分はありますが、年月も経ち周りの配役もほぼ代わり、舞台上の感情などは新たになりました。
五郎に対する慈しみとか父や義姉に対する情とか、女というだけで時代に翻弄されて、でも万劫は慎ましくどうにか手の届くところの大切なものは守りたかったんだろうな(守れないんですけど……)と思います。
ただあの東さんの祐経はちょっとね……。後半余りにもふてぶてしく憎らしいもんで、あれ私が夫にしてた人?本当に?あの人と仲良し夫婦だったとか幻想じゃない?という気持ちを拭うことができませんでしたよね。あんな夫は嫌だ。
あ、もちろん最初1シーン、離縁に至るまでのごく僅か〜な祐経さんはちゃんと好ましい若者でしたよ。どうしてああなった(だから討たれるんだよ)。

多少狙ったとはいえドンピシャで大河ドラマが曾我兄弟の話をやっていた時分、キシャがお届けする曾我物語は皆さまにどのように届いたでしょうか。
思い出した感想などありましたら呟きなどお寄せいただけたら嬉しいです。
未だ落ち着ききらない世の中ですが皆さまどうぞ健康に!また劇場でお会いできますと幸いです。

舞台美術 小道具 照明 音響を始め、素敵な世界観を支えてくださったスタッフの皆さまのご尽力にも感謝いたします。

かなざわれいこ