また何らかの話がしたい | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社

こんにちは、ひがしです。

寒い中ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

今回は「菊花の約」の丈部左門、「吉備津の釜」の語りを担当させていただきました。

 

左門については大学在学時に基礎演習で取り扱われた時からもうそーいうキャラにしか見えなくて(多分配られたレジュメに載ってた漫画のせい)、自分は一体何を読んでるんだろう…怪異、とは?とか思った記憶があります。

それから10年近く経ってよもや自分が演じることになるとは夢にも思わなかったんですが、これもある種の怪異なんでしょうかね。違うか。

ともあれ、相手がうえたけ君な時点でもうそーいう関係性にしか見えない菊花になるのは確定的に明らかでしたので、あまり深いことは考えずに流れに身を任せてやらせていただきました。

 

「吉備津の釜」の語りについては、初めての語りでこんな面白い演目をやらせてもらっちゃっていいのかなと思いつつ、全力で語らせていただきました。正直ものすごく楽しかったです。

前半は演者との掛け合いや観客席いじりもあり割とコミカルに進んでいきますが、後半は文字通り背筋の凍るほど恐ろしい展開。

観客席と演技スペースが混然一体となった今回の舞台の持ち味が、「恐怖感の共有」という形で十二分に発揮出来ていたのではないかと思います。

 

語りについても前半はテンポ良く、後半はヒタヒタと迫る磯良に合わせて重々しく、というのを意識していました。

ただ、正太郎が最後までかたく慎んだ(と思っている)ところの「空が次第に白み始め~」については少し明るめに、直後の絶叫を際立つように。

語り終わって照明が明るくなった時、観客の皆様が息を吐くのが聞こえてきたのが何とも心地よい瞬間でした(笑)

 

まぁ私にとって一番怖かったのは御釜祓のうえたけ君に笑わされないようにすることだったんですが。全部アドリブで毎回動きが違うとか本当に勘弁してほしい。

 

 

次回はガラッと雰囲気が変わって大きい劇場で軍記ものをやるわけですが、機会があればまたこういう大きい劇場では出来ないお芝居、何らかの物語の「話がしたい」、と思います。

その日を心待ちにしつつ、本日はこの辺で。

また劇場でお会いできることを楽しみにしております。

 

ひがしあきお