公演終わりに愛をこめて | 劇団 貴社の記者は汽車で帰社
ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。【かすがの】の"女はらから"、在原業平の妹です。
早くも3週間が経ち、ご挨拶が遅くなり申し訳ありません。
常ながら、公演が終わってもサヨナラな気持ちになれなくて、いつまでもぐずぐずしてました。
次公演の稽古が始まってしまえば切り替わるんですけどね。
そういう意味で、ちょうど今日がかすがのとの本当のお別れです。急に淋しくなってきた。

今回の公演は2幕同時上演ということで、常以上に越えるべき課題が多くありました。
【ゆめかうつつか】は完全新作でしたので、こちらは役者もスタッフもゼロスタート。
にもかかわらず、【かすがの】も役者の変更があったりで、再演だからと放置できるはずもなく。
結果稽古は半分ずつにせざるを得なかったのですが、それって常の稽古の半分で新規演目を完成させなくちゃいけないってことなのだということに、あの頃果して何人のメンバーが自覚をもって気付いていたのだろう……(遠い目)
まぁそんなですので、裏舞台はだいぶ、いやかなりカツカツだった向きはあります。
あちらこちらで悲鳴があがっていた時期もあり、でも私がそんな状況の劇団において果たせた役割って殆どなかったなぁと思うと胸は痛むのです。私達の劇団なのにな。

ただ、今回最終的に当日足を運んで下さった皆様にお見せできたもの。
それは製作期間のすったもんだをどうにかこうにか擦り減りながらも乗り越えた末に出来上がった"なにか"です。
傷つきながらも皆様にご覧いただける舞台が上がって、なんとか間に合って、本当によかったと思っています。
役者の努力もありますが、なにより数も少ないスタッフの皆が身を削って力を注いで支えてくれました。
私は本当にこの劇団に関わる皆が大好きです。ありがとう。
ご来場のお客様にもあたたかいお言葉をたくさん頂戴しました。
私はかすがの組ですが、ゆめかうつつか組へいただいた賛辞がなによりも嬉しかったです。
本当にありがとうございました。

個人的には女はらからと2年ぶりの再会でしたが、まぁもう肌馴染みが良すぎて笑
約4年前に脚本家にあて書き(役者に合わせて役柄を書くこと)された役なのですが、つまり未だに人間性になんの成長がないと、そういうことかもしれない。残念だな……。
でも大好きな業平兄様に久々に会えて、半年くらい愛することができて本当に幸せでした。
あとはもう衣装デザイン担当だったので、役者に衣装を来てもらえて、お客様に褒めてもらってとにかくよかった。
次はいつ会えるのかわかりませんが、またいつかお兄様に会いたいものです。
その頃兄上はいったい何歳になっているのでしょうね笑

では。語り足りないことは山ほどありますが、この辺りで一旦お開きにしたいと思います。
次は義経記でお会いしましょう。