【隅田川】納涼花火 | キシャ×キシャ

キシャ×キシャ

劇団主宰の酒婦ぶろぐ。

こんばんは、元帥です!

今日は隅田川の花火大会でしたね~。
残念ながら見に行くことができなかったので、
浮世絵で江戸の夏を楽しみたいと思います(^-^)/

まずコチラ。
photo:04


歌川貞房「東都両国夕凉之圖」天保(1830-44)後期

見て下さい!橋の上の人だかり!
しかも人混みの中でスイカ食ってる奴がいる!
多少の誇張はあるかもしれませんが、
両国橋花火の賑わいを存分に表現していると思います。

浮世絵の風景画は「名所絵」と呼ばれ、旅行者や参勤交代で
江戸に来ている大名たちが故郷の人々に江戸の風物を伝えるための
良いお土産でした。
なので名所絵には「◯◯といえば××」といった
「お約束」が不可欠です。
隅田川の花火=両国橋から見る花火のお約束は、
水上の花火と屋形船、そして橋の上の見物客ですね。

さて、それを踏まえてコチラ。
photo:05


歌川国芳 「涼み舟」 嘉永(1848-54)期

花火、屋形船…はありますが、イベントの盛況ぶりを
伝える橋上の見物客が描かれていません。
橋の下に泊めた舟を正面に捉えた構図になっています。
美女が宵の風に当たっている様子は風流ですが、
「名所絵」としては少し弱い気がします。
国芳は斬新な構図と色づかいの武者絵で
名を馳せた絵師ですが、名所絵に関しては
奇をてらい意図的にお約束を外すため、
あまり売れなかったそうです(´∀`;)

そして最後にコチラ。
photo:06


歌川広重 『東都両国納涼之図』(年代失念しました汗)

見えますか?遠景の橋の上、落下事故が
起きんばかりの人だかり!
歌川広重は西洋の遠近法を真似る過程で
近くのものを物凄く大きく描くという手法を
編み出しました。
この図も手前の提灯がかなり大きく描かれていて
迫力満点ですよね!
広重は国芳と同時期の絵師で、『東海道五十三次』を
はじめとする名所絵の名手です。
大胆な構図を用いながらきちんと名所絵の
お約束に従うのがいかにも名所絵師・広重、
といったところでしょうか(^^)

いかがですか?
江戸時代から続く納涼行事、隅田川花火大会。
浮世絵を通して、もう一度楽しんでみませんか?(=´∀`)人(´∀`=)