カーナビ彼女「わたしの彼

車で初めて行く場所には

いつもわたしを頼ってくれるの

  
出発する前

彼が行きたい場所を言ってくれて

わたしは地図を見ながら運転する彼に

300メートル先の信号を右に曲がって
と言うと‥」

彼「信号?

踏切はあるけど信号は何処にも無いよ?」

カーナビ彼女「えっ⁉信号無いの? おかしいわね‥

信号を右に曲がるとすぐ左手にコンビニがあって

その向かい側には交番があるはずなんだけど‥」

彼「そういえばさっきコンビニと交番があったの見た」

カーナビ彼女「それ!それよ!」
 
彼「その場所を通ったのは確か5分位前

もうだいぶん通り過ぎたよ」

カーナビ彼女「そうなの!?
 
わたしが地図を見るのが遅すぎたからだわ‥

ごめんなさい。

やっぱりわたしは古いから

最新型の方が早めに教えてくれるはずだから

もう他の人?に代えた方がいいんじゃない?。」

彼「何をいってんだよ

僕は君のその古風な所が好きなんだよ

学生の頃 昔からある町の電気屋で

初めて君を見たとき

僕の胸は高鳴ったんだ

テレビのCMで見たことのある君に

一度でいいから逢ってみたいとずっと思っていたから

やっと願いが叶った瞬間だった

あのときの君は
どの製品よりも光輝いてて綺麗だった✨

いつか車の免許を取って車買ったら

一番最初に乗せるのは君だと決めていた

数年後その願いは叶って

仕事に行くときも休みの日に出掛けるときも

毎日君と一緒に居られて

僕は幸せだった✨」