夏休みが終わって
小5の2学期始めの登校日
教室に入り
何故か自分の机が
とても懐かしく思えた
椅子に座り
机の上に書いてある文字を指でなぞった
それは…
『前進』
何かあったとき
いつもそこで立ち止まっては なかなか前に進めなかった自分に書いた文字
チャイムが鳴り担任の
先生が教室に入ってきた
すると…
一人の男子生徒が先生の後をついて入ってきた
その子は転校生だった
私は転校生の顔を見て
体に異変が起きた
何だか分からないけどドキドキする
胸の鼓動が段々高鳴って行き
抑えようと思っても抑え切れない
肌が小麦色に焼けた転校生に初めて恋した瞬間だった
ある日学校から帰り
友達と川へ遊びに行き
川に入り
小さな魚を捕まえようと
水面に両手を入れ
そーっと魚を追っていた
すると…
『何してんの?』と
男の子の声が聞こえた
私は後ろ向いていたので
友達が返事をした
誰だろう?と後ろを振り向くと…
クラスの男子が3人
私の目の中に飛び込んできた
するとその中の1人
憧れの君がいた
私の顔が急に熱くなった
私はすぐに背を向け
慌てて水面に両手突っ込んだ
恥ずかしくて恥ずかしくて
熱く火照った顔を
そのまま川に突っ込んで冷やしたい思いだった
すると…
憧れの小麦色の肌の君が
川に入ってきて
『何捕まえてるの?』と
私に声を掛けてきた
キャーっとなった私は
恥ずかしくて顔を見ることが出来ず
下向いたまま
『め...めだか』と
返事をした
本当はめだかではなく
『ごり』だった
私は心の中で
「嘘ついてごめんなさい」と謝った
そのとき初めて憧れの君と会話をした
そんな私の
嬉し恥ずかし初恋物語の始まりでした
