<「伊邪那岐と伊邪那美14」・・・黄泉の国1 >
「伊邪那美命」は病が治らずお隠れになり、「黄泉の国」へ旅立たれました。
残された「伊邪那岐命」は・・・
「わたしの最愛の妻を一人の子に代えたのは殘念だ」
と、涙を流して悔しがります・・・その「涙」からなりませる神は「泣沢女神」です。そして「伊邪那岐命」は「出雲の国」と「伯耆の国」の境にある「比婆の山」に葬ります。
それから「伊邪那岐命」は、長剣(名は「天の尾羽張」又は「伊都之尾羽張」)を抜き、火の神「迦具土神」の頸を切られました。
この時、多くの神々がお成りになります。
・剣の先についた血から・・・「石析神」「根析神」「石筒之男神」
・剣の元についた血から・・・「甕速日神」「樋速日神」「建御雷神(建布都神、
豊布都神)」
・剣の柄についた血から・・・「闇淤加美神」「闇御津羽神」
更に、殺された「迦具土神」の各部位からも「神々」がお成りになります。
・頭・・・「正鹿山津見神」
・胸・・・「淤縢山津未神」
・腹・・・「奥山津見神」
・陰・・・「闇山津見神」
・左手・・・「志芸山津見神」
・右手・・・「羽山津美神」
・左足・・・「原山津見神」
・右足・・・「戸山津見神」
(「武田祐吉訳 古事記」より )
《「伊邪那岐命」》
(神社本庁パンフレットより)
【 「季節の旅人」の“探検日誌” 】
「伊邪那美命」は病が治らずお隠れになりました・・・「伊邪那岐命」の嘆きは大変なものだったと思います。「二柱の神」で「島々」「神々」を産み、これから更に「二柱」で完成させていこうとする矢先のことです。無念さもあったと、「人間」の私でも想像します。
その時の「涙」から「泣沢女神」がお成りになりますが、この神は「天香山の畝尾の木本に鎮座する神」で、「井戸」を御神体とする鎮座地の性格から「水の神」とする説や、葬儀で泣く役をする「哭女(なきめ)」(泣き女)の表象とする説があります・・・素人の「私」には、「伊邪那岐命」が涙を流して残念がる場にお成りになったので、後者の「泣き女」の性格が強いのではと思います。
「伊邪那岐命」は「伊邪那美命」を、「出雲の国」と「伯耆の国」の境にある「比婆の山」に葬ります。「比婆の山」はどこにあるかと言いますと・・・「島根県安来市の比婆山」「島根県松江市の神納山又は御墓山」「広島県庄原市の比婆山」「三重県熊野市の有馬」等いろいろな候補地があります。現在では、「玉鋼」の産地である「島根県安来市の比婆山」が最有力視されているようです・・・この「安来市の比婆山」は基盤を形成する玄武岩柱状節理群は、太古の逆転磁気を帯びていて、この付近では方位磁石は正しい方向を向かないとのこと。
《「安来市の比婆山」》・・・島根県安来市伯太町
(オンライン画像より)
(山陰中央新報社冊子より)
《「比婆山久米神社」》・・・「伊邪那美命」の墓所とされます
(オンライン画像より)
「伊邪那岐命」は「伊邪那美命」を神避りされた要因となった「迦具土神」の頸をはねます。よほどの怒りがあったとは思いますが、せっかく生まれてきた我が子の頸をはねるのは如何かと。「迦具土神」に悪意はなかったように思えるけど・・・でも、「迦具土神」の「血」や「各部位」から新たな神々がお成りになったのは、せめてもの救いかと・・・。
ここで、新たにお成りになった「神々」の役割を調べておきましょう・・・
・「石析神」「根析神」「石筒之男神」・・・神聖な岩石。
・「甕速日神」「樋速日神」・・・火力
・「建御雷神」・・・剣の威力
※「鉄鉱石」を「火力」で処理し「刀剣」を得ることを語っていると
いう説あり。
・「正鹿山津見神」「淤縢山津未神」「奥山津見神」「闇山津見神」
「志芸山津見神」「羽山津美神」「原山津見神」「戸山津見神」
※「火山活動」「山焼き」などを神聖化する神々との説あり。「各種
の山の神」を表しているとのこと。
( 注記 )
※「浅学」のため、「間違い」や、「ピント外れ」が多いかと思いますが、温かい目で、この「探検記」をお見守り下さい・・・「間違い」は都度修正していきますが、興味のある方は、自分で専門書物を調べて下さいね。[出典:「角川文庫 古事記」「武田祐吉訳 古事記」ウィキペディア、ニッポニカなど]
・・・次回は「伊邪那岐と伊邪那美15・・・黄泉の国2」



