歴史の探検《 “戦国時代”(227) 》・・・「鉄甲船」 | 季節の旅人のブログ

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<「戦国時代の主役“織田信長”(156」・・・「鉄甲船」>

 

 「第一次木津川口の戦い」では、「織田水軍」は「毛利水軍」に完膚なきまで叩きのめされました。「毛利水軍」の中には「瀬戸内海の海賊」と言われた「村上水軍」が含まれています。

海戦」では「毛利水軍」の方が一枚上だったようです。

 

 「信長」はこの「毛利水軍」に勝たねば、「石山本願寺」への補給路を断つことが出来ず、「石山本願寺」を包囲している効果はないと考えたことでしょう・・・でも、まともに戦えば、「毛利水軍」「村上水軍」に勝てないとも考えたことでしょう。

 先ず、「毛利水軍」の「海戦技能」に対抗するため、これも「熊野灘」の海賊上がりと言われる「九鬼水軍」を起用することにしたよう・・・「九鬼水軍」は「第三時長島一向一揆との戦い」に、「信長」に協力していました。

 

 「信長」は、それだけでは、確実に「毛利水軍」「村上水軍」に勝てないと考えたよう。今までにない船を考え付きます・・・「鉄甲船」です・・・「信長公記」には・・・信長」は「九鬼氏」に命じ、「鉄装の大船」を六艘建造させた。また、それとは別に「滝川一益」にも「大船」を作らせており、こちらは「白舟」に仕立てさせていたとあります・・・これが、「毛利水軍」「村上水軍」に勝利するための「秘密兵器」だったよう。

 

        ⦅「信長鉄甲船」の図 ⦆

 

                                         (オンライン画像より)

 

 そして・・・信長公記」には・・・これら七隻を中心とした船団は順風を見計って「熊野浦」へと押し出した。目指す先は「大坂沖」であった。

 すると、これを海上で迎え撃つべく、「雑賀」「淡輪」の浦々から「大坂方」の小船が数をも知れず出航してきた。「敵船」は「大船」へ次々に矢を射掛け、鉄砲を発射して四方から攻め立ててきた。これに対し、「九鬼水軍」は重装を施した「七隻の大船」と「小船」からなる船団を率い、「敵船」を間近に引き寄せてはあしらうように応戦した。そして機を見て「大砲」を撃ちかけ、「敵船」数多を撃沈させたとあります。

 

 そして、海戦は、「鉄船」の勝利に終わった。この海戦ののち敵方は「鉄船」へ寄りつくこともためらう有様となり、船団は難なく「」へ着岸した。岸には見物人が集まり、その耳目を驚かせた。そして、船団は「大坂表」へ乗り出して要所々々に船を配置し、海上の通行を封鎖して攻囲を固めたのであったとのことです。

 

 「信長」も「鉄甲船」を観覧するため、「堺湊」へ入ったとのこと。このとき、「近衛前久」「細川昭元」「一色満信」らの朝廷のお偉方も「大船見物」のため同行していたようです。
 

 

【 「季節の旅人」の“探検日誌” 】

 「信長」は、いつも戦術に工夫をこらしますね。相手の「強み」に対し、今までにない方法を考え対応し勝利しています・・・例えば、戦国時代随一の「武田の騎馬軍団」に対し、多くの「鉄砲」を集中させ、騎馬戦の強みを封じ込んで勝利しています。

 

 今回は「大砲を装備した鉄甲船」です・・・「第一次木津川口の戦い」では、「毛利水軍」は「焙烙玉(陶器に火薬を入れ、導火線に火を点けて敵方に投げ込む手榴弾のような兵器)」や「火矢」で、「織田水軍」の船を火災に追い込み沈める戦法で大勝しています・・・ならば、「」に強い船を造ればいいではないか・・・の発想ですね・・・「鉄船」です

 

 また、数に勝る「毛利水軍」の船に対抗するには、相手方の船をどんどん撃沈させる必要があります。それには、「西洋の軍船」のように、「大砲」を装備し、舟自体を壊せばいいではないか・・・の発想です・・・「大砲を積み込んだ船」ですね。

 

 これらを具現化したのが「鉄甲船」です・・・このアイデアは、「信長」が発想したのだろうか・・・「」でみた「西洋の船」から発想を得、「宣教師」のアイデアを借りながら推し進めたのではなかろうか。

 何故なら、今までの「安宅船」にそのまま「鉄板」を張っても重心が上がり沈没しやすくなります。また、「大砲」を撃つことにより、船が揺れて沈没の危険性があります。「適切な重心」と「大砲の反動を吸収できる構造」が必要ですが、これを「九鬼水軍」に丸投げしても無理があったのでは?・・・やはり、「宣教師」に「西洋の技術者」を連れてきてもらい、「九鬼水軍」を指導して、試行錯誤して造ったのではないだろうかと考えるのが妥当では・・・私には、そう思えます。

 

 

( 注記 )

 ※「浅学」のため、「間違い」や、「ピント外れ」が多いかと思いますが、温かい目で、
この「探検記」をお見守り下さい・・・「間違い」は都度修正していきますが、興味の
ある方は、自分で専門書物を調べて下さいね。[出典:ウィキペディア、ニッポニカなど]

 

・・・次回は「荒木村重の謀反Ⅰ」